内野聖陽インタビュー 出会ってから撮影が始まる前まで、ひたすら監督と話し合った『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
タッグを組む上で大事にしていること
――『きのう何食べた?』では西島秀俊さんとタッグを組み、『八犬伝』では役所広司さん、今回の作品では岡田将生さんとタッグを組まれています。作品ごとに、バディとして見事な調和をみせられています。タッグを組むうえで大事にしていることはありますか。 「バディである」という自覚はありません。確かに、今あげられた作品はバディだと思いましたが、あまり考えてないかも(笑)。複数の役者で出演している場合は、それぞれの中でセッションをしていくけど、そのバディ的な存在、対一人となるとセッションが濃くなるんです。“こういう風にやれば、あっちはこう返ってくるだろう”というようなキャッチボール、セッションが普段よりも濃くなる感じがして楽しいです。 ――演技を楽しんでらっしゃるんですね。 楽しまないと駄目ですね。でも、楽しむまでいくには、凄く大変な作業が必要で、たくさんの地味な作業をいっぱいして、その上でどれだけ現場で遊べるかが大事ですかね。相手とセッションするのが楽しいというところまでいくには、相当な努力が必要になるんです。楽しむまでが大変で‥‥、現場でとにかく共演者とのキャッチボール、セッションを楽しみたいんです。けれどもそこまでいくには、どれだけ充電しないといけないかとか、どれだけ失敗するかとか、いろいろありますね。だから書斎で脚本を見つめる時間は、凄く貴重で大きな時間です。 柔軟な演技で七変化する名優・内野聖陽さん。岡田将生さんとは初めての共演で「柔らかい愛されキャラを甘えも入れて演じるのが上手い方」と言っていましたが、現場では小澤征悦さんとも意気投合し、お互いを「セイちゃん」と呼び合っていたそうです。でも何故、小澤さんまで「セイちゃん」なのか?はラジオアプリを聴いていただくとして‥‥。内野さんが気弱な主人公を演じる姿が面白くして仕方がない。でもそれは内野さん同様、主人公のうちに秘めた熱さや優しさがあるからこそマッチした、ベストキャスティングもあってなのかもしれない。さまざまなタイプの登場人物に翻弄される内野さん演じる主人公【熊沢二郎】を楽しみつつ、スカッとする作品『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』は11/22公開です。
取材・文 / 伊藤さとり(映画パーソナリティ)