「もう民放ドラマ出ません宣言」から20年以上…窪塚洋介が“異端”と言える納得の理由
20年以上、民放ドラマに出なかった異端児
日本の役者業界において、窪塚洋介という男は異端である。 映画にはコンスタントに出演しているものの、「もう民放ドラマ出ません宣言」をして、実際2003年を最後に民放テレビ局のドラマには長らく出演していませんでした。 【写真】今後「旧ジャニーズタレント」が恋愛ドラマに出演するのは厳しくなるかも! ただ、出演していた民放ドラマは20年以上前の作品ということになりますが、それでも彼が演じた役を鮮烈に覚えているという方は多いのではないでしょうか。 今回は、年間100本寄稿するドラマ批評コラム連載を持つ筆者が、窪塚さんの役者としてのキャリアや驚きの出来事を振り返っていきます。
『GTO』SP出演、「なんだかとっても…エモいです」
窪塚さんが2003年以来、21年ぶりに民放ドラマに出演して大きな話題になったのが4月1日。 26年ぶりに復活したSPドラマ『GTOリバイバル』(フジテレビ系)に、当時と同じ役柄で登場したのです。 反町隆史さんが暴走族あがりの破天荒教師・鬼塚英吉を演じた学園ドラマ『GTO』(1998年/フジテレビ系)。暴言・暴力をいとわず一見すると傍若無人ですが、実は芯のとおった熱い魂を持つ鬼塚が、赴任した私立高校の生徒や教師たちの問題に命がけで向き合い、学校全体を変えていくというストーリーでした。 この作品は全話平均が28.5%、最終回が驚異の35.7%。単純計算で日本国民の3人に1人以上が、最終話をリアルタイムで観ていたという伝説のドラマ。 この反町さん主演の『GTO』が、4月1日に2時間枠の『GTOリバイバル』として帰ってきたのですが、生徒役で出演していた小栗旬さん、池内博之さん、山崎裕太さん、徳山秀典さん、そして窪塚さんが当時と同じ役で出演するという胸アツ展開だったのです。 窪塚さんが演じたのはインテリキャラの菊池善人。1998年版ではPCが得意な天才ながら、教師いじめのリーダー的存在となっていた問題児で、鬼塚と対立。けれど鬼塚の情熱に感化され、よき理解者となっていきました。 2024年版では序盤からいきなり登場。文部科学省の役人になっており、教職から離れていた鬼塚が教師復帰するきっかけを作るというキーパーソンです。また終盤でも小栗さん、池内さん、山崎さんらが演じるキャラクターたちとともに、鬼塚を見送るというエモいシーンで盛り上げていました。 先述したとおり、この『GTOリバイバル』が20年以上ぶりの民放ドラマ出演だったのですが、窪塚さんは自身のInstagramに撮影中の反町さん、小栗さん、池内さん、山崎さんらとともに映る写真をアップ。そこにはこんなメッセージを添えていました。 ≪26年の歳月。当時19歳(未成年)、今年45歳(オッサン)。6歳の娘を抱っこしながら家族でリアタイで観るTV≫ ≪なんだかとっても…エモいです。照笑 感謝。≫ 「もう民放ドラマ出ません宣言」を覆しての出演にファンは歓喜。反町さんへの恩義が先立って出演を決めたのかもしれませんが、彼自身としてもとても心が揺さぶられるポジティブなスペシャルドラマになったということがわかる投稿でした。 そして、窪塚さんが演じた菊池は高い知能を誇り、いつも飄々としていて何を考えているかわからない役どころでしたが、それは今なお語り草になる彼の代表的キャラクターにも通底している特徴だったのかもしれません。 そう、『IWGP』のあのキャラです。 1998年の『GTO』は大ヒット作となりましたが、さすがに出演していた生徒一人一人の知名度が爆上がりすることはなく、窪塚さんはまだ知る人ぞ知るというレベルの若手俳優でした。 「窪塚洋介」という役者の名が世に知れ渡るのはその2年後。 長瀬智也さん主演のドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(2000年/TBS系)にて、カラーギャングのボス“キング”を演じたことでブレイクするのです。 後編『窪塚洋介の伝説が始まった「24年前のドラマ」…転落事故、問題発言…破天荒すぎる男の生き様』では、当時の状況を詳しく振り返っていきます。
堺屋 大地(恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー)