徹底的〝元彼ディス〟曲がSNSで世界を席巻 グラミー、テイラーライブ出演「Z世代の歌姫」ヒットの理由
憧れのテイラーのライブに
米Billboardの「グローバル 200」で9週連続1位を記録、グラミー賞の「年間最優秀楽曲」にもノミネートされ、「Z世代の歌姫」となったGAYLEは、自身が憧れる Taylor Swiftのライブツアーのオープニングアクト(前座)にも抜擢された。 きっかけは2022年のナッシュビル・ソングライター・アワードの授賞式。GAYLEはそこで演奏をし、Taylorはそこに「ソングライター/アーティスト・オブ・ザ・デケイド(この10年のソングライター/アーティスト)」として招かれていた。その場で二人はセルフィーを撮影した。 後日、Taylorサイドから連絡が入り、GAYLEはTaylorの2022年のライブツアーに出演。そんな経験を、GAYLEは「彼女は完全に私の人生を変えた」と振り返る。 「私は子どもの頃にTaylorの姿をテレビで観て、Taylorの歌をラジオで聴いて育った。彼女は私がシンガーソングライターであることに情熱を持つ理由。彼女ほど“アーティストである”ということを体現する人がいなかったら、私が自分の人生において、楽曲制作をこんなに優先することはなかったと思う」 どうしても“元彼ディス”の歌詞に注目してしまうが、ヒットチャート上位や著名アーティストライブへの出演は、その音楽性への高い評価の表れだ。自身の経験を楽曲に反映することについて、GAYLEは「楽曲制作は自分を理解すること」だと言う。
ある種の弱みを取り入れる
「つらい経験をすると、感情を認識したり処理したりが難しいことがあるけど、曲を書くとき、私は自分の考えをすべて紙の上の一つの場所にまとめることができる。それが合理的だったり健康的だったりするとは限らないけど(笑)。 私は自分の音楽にある種の“弱み”を取り入れてみることが重要だと思う。聴いてくれた人がもし、それに共鳴してくれれば、それは私たちにとって、難しいことを一緒に乗り越えていく、意味のある経験になると思うから」 そうして制作された楽曲が同世代の共感を集め、「abcdefu」の世界的ヒットから2年。それはGAYLEにとってどんな時間だったのだろうか。 6月に20歳になる彼女は「私はこの2年で17歳から19歳になって、もうすぐ20歳になろうとしている」「この年代の多くの人が迎える大きな変化を、私も迎えた」と振り返る。その上で、アーティストとしての変化をこう表現する。 「これまでアメリカを離れたことがなかった自分が『abcdefu』のおかげで光栄にも世界中を周り、訪れたことがないところに行き、これまでに会ったことがない人に音楽を届けられるようになった。自分に余裕を持つことができるようになったし、成長したと感じる」