史上最高齢でのドラフト指名はあるのか!? “30歳・静岡の魔球の使い手”が決して諦めない夢「遠回りはしたけど、僕は苦労人ではない」
「僕は苦労人ではない。ラッキーな人間です」
ドラフト指名への思いは同僚の元NPB戦士の影響も大きい。 「(田中)健二朗(投手・常葉菊川=現・常葉大菊川、元DeNA)さんだったり、藤岡(好明投手・宮崎日大、元ソフトバンクなど)さんにとても良くしてもらっています。先輩たちがプレーしていた舞台でやりたいと思ったんです。先輩方の体験談を聞くと、やっぱりすごいと思いますし、単純に自分も経験してみたいと意欲が湧いてきました。藤岡さんは40歳にして誰よりも練習するので、10歳若い自分がやらないわけにいかない」 6月以降、対戦チームの“ナイアガラカーブ対策”もあって、成績はやや落ちてしまった。今シーズンの成績は、34試合に登板し、2勝7敗2セーブ、防御率は3.82。 それでも「やっぱり僕が今まで培ってきた投球術が大事ですね」と歴代最年長指名に燃えている。 「僕は才能とかがないから30歳までNPB行けなかったと思います。元々身体能力も低く50メートルも7秒台で足も遅いですし、動きとかもぎこちない。そんな選手でも、体はデカいから(187センチ102キロ)できている、っていうのもあるんですね。自分の場合、能力を持ってないからこそ色々考えて、必要だと思うものを勉強してきたので、投球術や野球観、練習の取り組み方、人間性など必要なものを全部ひっくるめて『総合力で勝負』っていう風に考えています」 能力は高くないと語る30歳。どうしてモチベーションを保つことができるのだろうか。 「遠回りは間違いなくしています。だけど苦労人だとは全く思っていないです。だって好きな野球を30歳までこうやってプロでできるってないじゃないですか。だから逆に僕はラッキーな人間だと思っています。30歳までプロを目指しているって言ったら普通は『ふざけるな』だと思います。 でも僕はプロを目指せる『お前にはチャンスがあるんだよ』って言ってもらえる環境でプレーできているので。そう思うと誰よりもラッキーな人間だと思っています」 ひたすら前向きに――。夢を追い続ける平間の挑戦を見届けたい。