阪神・糸原健斗、FA行使せず残留 あふれる猛虎愛「このチームが好き。もう一回優勝、日本一を」
阪神・糸原健斗内野手(32)が12日、西宮市内の球団事務所で会見し、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することを報告した。単年契約で現状維持の年俸7000万円(金額は推定)。チームへの愛着を残留の一番の決め手に挙げ、藤川新体制で迎える来季へ不退転の覚悟をにじませた。13日が今オフのFA権行使の申請期限で、大山悠輔内野手(29)、坂本誠志郎捕手(31)の判断に注目が集まる。 晴れ晴れとした表情で球団旗の前に立った。虎への愛情は誰よりも強い。だから、FA権を行使することなく残留を決めた。阪神で迎える復活の2025年-。糸原は決意を言葉に込めた。 「この度、FA権を行使せずに阪神タイガースで来年もプレーさせてもらうことを報告します。やっぱりこのチームが好き。このチームでもう一回優勝、日本一というのを味わいたい」 2017年にJX-ENEOSからドラフト5位で入団。巧みな打撃センスと勝負強さで遊撃手や二塁手などの定位置をつかんだ。ただ、若手の台頭もあり近年は代打起用がメイン。今季は89試合出場で打率・216と不本意な成績に終わった。 新たな環境での挑戦も選択権にあった中で、心のど真ん中にあり続けたのは「一番はタイガース」というチーム愛。そして「すごい声援をくれる熱いファンの方々がついている。その熱いファンの方の前で来年もプレーすることがモチベーション」と決め手を明かした。また、単年契約で現状維持の年俸7000万円で契約を更改した。 「ふがいない成績が続いている。来年が本当に分岐点というか、勝負の年だと思って一年勝負でやっていきたい」 例年以上の覚悟は単年契約という形に込めた。藤川新監督には、11日に電話で残留を報告。「『一緒に頑張ろう』という言葉をいただいた」と腕をまくる。 「チーム一つになって、監督を胴上げできるように。そしてファンの方々とあの喜びを、あの光景を一緒に分かち合いたいなと思っています」 最高の景色をもう一度-。来季も縦じまのユニホームを身にまとい、糸原はグラウンドを駆け回る。(原田遼太郎)