「どうしても損切りができないんですよ…」 金融市場を揺るがす逆神「岐阜暴威」の“意外な前職”と“FXで1000万勝った過去”
新NISAの登場もあり、日本に「投資ブーム」が訪れつつある。ただ、一筋縄ではいかない投資の世界で、個人が利益を出すためにはとにかく情報収集が欠かせない。そうした中、個人投資家たちが頼りにするのが、Xで投資情報を発信するインフルエンサーたちだ。そんな“投資クラスタ”と呼ばれる界隈で、“逆神”の異名で恐れられる男がいるのをご存じだろうか。 【写真を見る】専業になる以前、警備員だった頃の「岐阜暴威」 当時30歳のヘアスタイルにも注目 (前後編の前編) ***
いつしか“逆神”の代名詞となった「岐阜暴威」
逆神とは、ネットスラングの1つで、立てた予想がことごとく外れる人のこと。転じて、「買ったら下がり、売ったら上がる」という、いつも逆ポジションを持っている投資家を指す言葉として使われるようになった。その代名詞的な存在が、個人投資家の「岐阜暴威」氏(39)なのである。 興味深いのは、単なる“ネタ”という範疇を超え、あたかも本当に岐阜暴威が“神通力”を持っているかのように語られている節があることだ。 「岐阜暴威が損切りしたから、そろそろ反転上昇するはず」 「ショート(売り)で入ろうとしたけど、岐阜さんがショートポジだったからやめとこ」 「もう含み損が限界…。頼むから(同じポジを持った)岐阜暴威は諦めてくれ!」 今や、株価が大きく動いた日には、Xのトレンドに「岐阜暴威」のワードがランクインすることもしばしば。その知名度は絶大なのである。 今回は改めて「岐阜暴威」ご本人に、その名前の由来に、生涯収支や今年の成績、今後の目標や日経平均の株価予想などなど、話を聞かせてもらった。
ニックネームは2chで命名された
ビデオ通話の画面に現れたのは、見事なツルツル頭の岐阜暴威氏。老けて見られがちだと言うが、実年齢は39歳。スキンケアには気を遣っているそうで、肌もまた、ツルツルとして若々しい。 まずは「岐阜暴威」という変わったニックネームの由来から聞いた。 「今から12年ほど前、27歳の頃に当時の2chで命名されたんです。“投資一般”というスレッドがありまして、そこで“最近、髪の毛が減ってきたんだわ”って写真をアップしたら“20代でこんなにハゲてる奴がいるわけない!”とちょっとした騒ぎになりまして。当時の2chではヤベェ奴に“暴威”と名付ける風潮があって、“岐阜出身のお前は岐阜暴威や!”と。これが名前の由来です」(岐阜氏) 為替介入でネット上でも一躍有名になった神田眞人財務官は、強気な発言を繰り返す姿から“神田暴威”と呼ばれるが、“岐阜暴威”はその“元ネタ”でもある。 ちなみに、専業トレーダーになったのは意外と最近で、2022年9月のことだそう。とはいえ、投資の世界に足を踏み入れたのは、2008年に起きたリーマン・ショックより以前のことだった。 「当時は信用取引で日本の個別株を触っていたのですが、リーマン・ショックで大損をこいてしまい、当時の全財産だった300万円を溶かしてしまった。そこで、その年の12月末に始めたのがFXでした。FXはレバレッジをかければ10万円からはじめられたんです。毎月給料が入ったら10万を入金して、溶かして、また翌月10万円入金して、また溶かす。そんなことを繰り返していましたね……」(岐阜氏) その頃は職を転々としていたという岐阜氏。工場バイトや、ヤマト運輸の配達員のほか、保険の営業マンも経験したという。 「保険の営業マンだった頃はなかなか上手くいかなくて、鏡に映った自分の顔に向かって保険を売る練習もしました。今はYouTubeの配信をやってるんですが、あの頃のトークの練習が少しは生きてるかも知れません」(岐阜氏)