『SUMMER SONIC Bangkok 2024』に行ってきた タイ&サマソニらしさ溢れた華やかな音楽空間
印象に残ったPhum Viphurit、BRIGHT、HEDのステージ
Phum Viphuritが、派手に使えるステージを全然派手に使わず、いつも通りのただ良い演奏をすることに徹していたのも、かっこよかった。花道にさえ出てこなかった。バンドメンバーとのギターの掛け合い、広いステージ上での生身の人間同士の阿吽の呼吸、そういったことに痺れちゃうんですよね。ステージバックにトレードマークのナマケモノのキャラが映し出されているのですが、彼のプレイと歌声を聴いていると、いつの間にか自分もナマケモノのイラストと同じようなウットリとした表情になってしまうんです。全体的に派手なイベントだっただけに、あのステージはシンプルでやっぱりかっこよかった。タイの音楽を牽引していく人なんだと思いました。印象深いです。 タイの俳優でありミュージシャンであるBRIGHTにも触れておきたい。今年はサマソニ東京&大阪にも出演して3ステージ目。ご存知の方も多いと思いますが、彼はコロナ禍に世界的にヒットしたタイのドラマ『2gether』で注目を集め、その後グローバルなハイブランドにモデルとして起用されたり、音楽活動も活発になったり、俳優以外での存在感も増しています。彼がSNSに投稿する弾き語りや、シェアする音楽の傾向が、私の好みだったのでFMラジオのDJとして気になる存在だなと思って注目していました。今回大阪でインタビューの時間を少しもらえたのですが、ライブのたびに新しいアレンジにトライしたくなるらしく、バンドメンバーが大変だと思うと話していました。先日LAでレコーディングしたという新曲が、サマソニバンコクでは演奏されたのですが、この曲なんと88risingからリリースになるとのこと! ますます音楽活動が活発になっていきそうで、ぜひ次はFM802のスタジオに来てスタジオライブしてほしいなと思いました。ライブ自体、MCもほぼなくて、ただ歌うことに集中する彼の姿が、音楽で勝負するのだという覚悟というか気合を感じるもので、それはファンの人たちにも伝播していた気がします。 「RISING STAGE」もタイらしくて面白かったので、1組。HEDという3ピースバンド。ドラムのCard、ベースのMarch、そしてタイの伝統楽器を扱うTonの3人。この曲では使われていないのですが、箏のような楽器(ケーン?)を演奏する曲があり、その音が聴く人をハイにするのか、大団円になるんですよね。純粋なタイの民族音楽的なムードではなく、現行のいろいろなジャンルの音楽をミックスしてHEDの音楽になっている感じがしてカッコいいなと思いました。サマソニにラインナップされるということは、それなりの人気と実力があるということだと思うので、またいつか見れたらいいなぁ。ちなみにTonさんは別プロジェクトで、2023年にPhum Viphuritが開催した『The Greng Jai Gala 2023』のオープニングアクトとして出演されていたようです。 他にも、我らが日本のYOASOBIは登場する前から会場が歓声に包まれていてBIG WELCOME感がすごかったし、たくさん心が動く瞬間があって、気持ちが忙しい2日間でした。タイの人にとっても記憶に残るシーンがたくさんあるサマソニになったんじゃないかな。とにかくサマソニの海外公演はまたやってほしい、その時はまた行きたい! サマソニは毎年、当たり前のようにたくさんの海外アーティストを大阪に呼んでくれるけれど、それって、全然当たり前のことではないんだと実感した、今回のサマソニバンコクでした。いつもワクワクをありがとう! この気持ちは万国共通! と大きい声でサマソニに感謝を言いたいです!
土井コマキ