【カスタム車紹介】T.T.Rモータース CB750F(ホンダ CB750F)スペシャルエンジンをオーナー用意の車体にドッキング
いいタイミングとしてのトータルリフレッシュも行う
基本的には扱い車種を限定していないというT.T.Rモータース。だが、ホンダCB-F/Rシリーズについては車両販売、純正/アフターマーケット用パーツの販売、整備やチューニング、カスタム製作等の例が多く、そんな背景からもCB-F/Rの環境を良くしていこうと力を入れ続けている。例を挙げれば、CB750Fの再組み立て済みエンジン“リビルトエンジン”の販売。古く汚れたエンジン/キャブレター各パーツにダメージを与えずかつ要する時間を少なくして洗浄するRECS、そして調色可能な耐熱/高放熱塗装のガンコートほか機能塗装という旧車復活・延命という視点からのCB-Fサポートもある。 【写真はこちら】T.T.Rモータースがカスタムした「CB750F」の全体・各部 そこでこの車両だ。鋳造のジェネレーターカバーがT.T.Rの製品、そのベースマウント部からもT.T.Rの強化発電系が収まっていると分かる。 「このエンジンはウェビックフェスティバル(’23年9月9日に茨城空港で開催)で私たちが展示したコンプリートエンジンの“ブラッククローム”です。現場で購入いただいたものを、オーナーさんが持っていた車体に組んで完成となりました」 こう、T.T.R・林さんは車両の成り立ちを教えてくれる。ゴールドの前後17インチホイールに赤いFBカラー、そしてネーミングの通りブラッククロームのガンコート塗装が施されたエンジンの対比にもフレッシュな感じがある。 「車体は持ち込まれた時点でXJR1200パーツを使って17インチ化されていましたので、基本はそれを生かしています。ひと通りチェックしてディメンション自体は大丈夫でしたし。当然ですけどちょうどエンジンが下りた状態でしたから、いいタイミングと捉えてフレーム本体もリフレッシュした上でリペイントしました。ほかは細部パーツを変更、あと外装もリペイントしてこのようになりました」 信頼できる、そしてスープアップメニューも施されたエンジン(内容は後述)を積む。車体側も見直し作業を受けることで結果的に全面的にT.T.Rの目が届くことになった。それがフレッシュ感につながっているとも言える。同時に、信頼性も安心感も増した。 それらを踏まえて前出の“ブラッククローム”エンジンの内容を見ていこう。CB750F用を元に各パーツはRECS洗浄され、クランクメタル合わせやミッション分解/組み立て、オイルポンプチェック、クラッチハウジングダンパー交換が行われる。このあたりのメニューは冒頭に述べたT.T.Rのリビルトエンジン(’24年夏時点で63万8000~91万3000円でのプライス)に準じたものだ。 ブラッククロームではワイセコφ65mm鍛造ピストンでの823cc仕様となり、ワンウェイクラッチの強化やT.T.R強化ジェネレーターキット、同イージークラッチキットが組まれる。メタルガスケットでの密着性アップやチタンボルト、さらにウオタニパルスジェネレーター/SP2点火キットもセットにされ、外観はガンコート仕上げ。こんなアップグレードメニューが加わっている。 このブラッククローム、各パーツの価格が変わらなければ昨秋販売時の150万円を定価として、今後も供給する考えだと林さん。手堅いチューニングと手頃なスープアップ。それが積み替えで実現できるという例も合わせて、とくにCB750Fオーナーには新しい魅力になること間違いなしだ。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部