「世界で最もサステナブルな企業100社」、24年は日本から3社
記事のポイント ①ダボス会議に合わせ「世界で最もサステナブルな企業100社」が発表された ②2024年の1位は、金属リサイクルを手掛けるオーストラリア企業だ ③日本からはエーザイ、リコー、シスメックスの3社が選ばれた
カナダのメディア・投資調査会社のコーポレート・ナイツ社は、1月17日、「2024年 世界で最もサステナブルな企業100社(グローバル100)」を発表した。今年1位に選ばれたのは、オーストラリアで金属リサイクルを手がけるシムズ社だ。日本企業では、エーザイ(35位)、リコー(72位)、シスメックス(100位)の3社がランクインした。(オルタナ副編集長=北村佳代子) 毎年、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(通称「ダボス会議」)に合わせて発表される「世界で最もサステナブルな企業100社」は、今年で20回目を迎える。 本調査は、売上高が10億ドル以上の世界の上場企業6733社を対象に、環境、社会、ガバナンス(ESG)観点でのパフォーマンスを評価し、サステナブルな企業の上位100社を選定するものだ。
■25の評価基準でランキング
このランキングは、銀行、公益事業、鉱業、石油・ガス、製造業など38の産業グループに属する企業を25の評価基準に基づいて格付けする。各産業グループの性質に応じて、特定の指標に異なる加重を適用する。 評価基準のなかでも、サステナブルな収益と投資は重要な指標だ。 2024年の「グローバル100」企業は、サステナブルプロジェクトに投資の55%を割り当てており、前年の47%から拡大した。なお、売上高10億ドル以上の上場企業全体では、サステナブル投資はわずか17%に過ぎなかった。 そのほか、ジェンダーや人種の多様性、最高経営責任者(CEO)と一般従業員の賃金比率、サステナブルな取り組み実績に基づく経営者の賞与、納税額、従業員年金への貢献なども評価基準として考慮しており、「グローバル100」に選ばれた企業のスコアは、全体のスコアを大きく上回る。 例えば、ESGなどのサステナビリティ関連指標を報酬と連動させている企業は、全体が約30%だったのに対し、「グローバル100」企業では79%だった。 ジェンダーや人種の多様性についても「グローバル100」企業が全体を上回った。取締役会におけるジェンダーの多様性は、対象企業全体では25%が男性以外の取締役だったのに対し、「グローバル100」企業は約35%、人種の多様性については、全体が10%だったのに対し、「グローバル100」企業は13%だった。 なお、マニュライフ生命(カナダ、98位)は、取締役会の多様性が58.3%で最も高かった。
■サステナブルな取り組みを進める企業は財務的価値も高める
コーポレート・ナイツ社は、気候変動対策をはじめとするサステナビリティへの取り組みが進んでいる企業は、財務的な価値も高めていることが明らかだとまとめた。 「グローバル100」インデックスは、2005年2月の創設以来、270.7%の投資リターンをあげた。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)の222.1%や他のESGインデックスのパフォーマンスを上回った。 *この続きはオルタナ・オンラインでお読みください。 ■トップ10までの企業一覧と、日本企業3社 ■イタリアのエネルギー企業に「ピボット賞」も