錦織圭に2019年覚醒予感。混沌テニス界を勝ち抜く進化とは?
2017年後半から2018年前半の男子テニス界は、錦織を含む多くの上位勢が戦線離脱と復帰後の苦戦を強いられた、新時代への移行期を予感させる混沌の時であった。その中からノバク・ジョコビッチが完全復活を果たし、錦織も後半戦の猛追によりトップ10へと食い込んだ。一方で、股関節を手術したアンディ・マリーは継続的に大会に出ることはできず、ラファエル・ナダルやファンマルティン・デルポトロのように、新たなケガを負った選手もいる。盤石に見えた上位勢にそれらのゆらぎが見える中、21歳のアレクサンダー・ズベレフがATPツアーファイナルズを制するなど、世代交代の動きは顕在化している。 そのように流動的なまま迎えた2019年は、躍進する若手のみならず、“ビッグ4”の支配により長く頭を押さえつけられていた、中堅や準ベテラン勢にもビッグタイトル獲得のチャンスが必ず巡ってくるだろう。そしてそうなった時、機をつかみ取れる者とそうでない者を分かつのは、如何にケガなく良い状態を保てているか否だ。 今年の錦織圭には、その土台たる強い身体が備わっているという。だからこそ、冒頭の言葉が強い現実味を帯びる。 (文責・内田暁/スポーツライター)