60歳の女性ダンサー新たな挑戦 タクシードライバーに
テレQ(TVQ九州放送)
ダンサーのフローリッヒ睦さん。60歳です。 フローリッヒ睦さん 「曲のテーマに合わせ自分の中で起承転結をつくっちゃう。自分の中でドラマを作って踊っている感じ。ほとんど即興です。いつも」 ダンス歴は30年以上。この日はミュージシャンの演奏に合わせ即興で踊ります。 「この場にいることが幸せでしょうがない。やっぱりすごい感謝でしかなくて、それが終わったあとに幸せ~!ってみんなに思ってほしい」 ダンス講師としても働いています。 「みんながニコニコしてくれるのがうれしい。この年齢まで来るといかに自分が幸せでハッピーに生きていけるかを追求してほしい」 受講歴10年以上のレッスン生 「パワフルで楽しくて元気いっぱいもらえます」 活力がみなぎっているフローリッヒさんですが、2023年にドイツ人の夫を亡くし食事も喉を通らないつらい日々を過ごしました。ただその経験があったからこそダンスを通して伝えたいことに気付いたといいます。 フローリッヒ睦さん 「夫が突然、たばこ買ってきますと言ってそのまま帰らぬ人になってしまった。どんなにきついことがあってどんなにつらいことがあって、でも絶対大丈夫だから。残される側はまだ仕事が残っている。楽しいことはそのあとどんって来るよっていうのをやっぱり伝えたい」 そんなフローリッヒさん。夫を亡くしたことを機に新たな挑戦を始めました。それがタクシードライバー。 ラッキー自動車 フローリッヒ睦さん 「運転が大好きで人を送るのが異様に好きで頼まれもしないのにずっと送っていた。これはタクシーでしょって思った」 主に個人で活動していたため、組織で働いてみたいと思うようになったといいます。タクシー会社の面接をいくつか受けましたが、選んだのは福岡市南区のラッキータクシー。女性が働きやすい仕組みが整えられていました。 「女性が多いというのと女性に対しての働きやすさをきちんと完備していたので絶対ここがいい」 2023年、夫に先立たれたフローリッヒ睦さん。新しいことに挑戦しようと福岡市南区のラッキータクシーでドライバーとして働いています。この会社では女性ドライバーの雇用を拡大しています。 ラッキー自動車 山下祐史さん 「子どもタクシーとマタニティタクシー。利用する方が女性ドライバーが安心できるというところも含めて希望が多い。女性ドライバーを雇用している」 子供の学校や塾の送り迎え、妊婦の利用などは女性ドライバーの需要が高いといいます。フローリッヒさんが乗車するこちらのタクシーも実は女性専用。「ピンクタクシー」と呼ばれる女性ドライバー専用車両もここ数年で5台増やし、現在は12台に。20台まで増やすことを目標としています。さらに女性専用の休憩室も完備。勤務体系も… 「子育てしながら働く女性の方もパート採用という形で雇用している。その方たちは家庭を優先していただくような形で時間が空いた時に働いてもらっている」 最低の勤務時間や日数が決められておらず、自分の生活リズムに合わせて働くことができます。フローリッヒさんももともとは昼間の時間帯に働いていましたが現在は夕方6時からの勤務。翌日の朝まで働いています。 ラッキー自動車 フローリッヒ睦さん 「短い時間なのでホッとしてもらったり、ちょっとリセットなどそういう気持ちで車に乗ってもらったらうれしい」 ダンサーの仕事もタクシードライバーも人を楽しませるという点で共通していると話します。そんな毎日忙しいフローリッヒさん。元気の源となっているある場所に連れて行ってもらいました。 「昨日も来ました。本当に毎日来ている。夜勤の途中で1回ここで(食事する)きょうみたいにお客さんが乗せられない、ダメだって時はここで仕切り直していく」 夫を亡くし、つらい思いをした時もこの場所に来て癒やされたといいます。 「家族である夫がいなくなったことでショックを受けたけど、友達はみんないる。ちゃんと話や気持ちを共有できるからうれしい」 食事を終えたフローリッヒさん。早速、仕事再開です。 「60歳まではリハーサル。ここからが本番。70歳でのブレイクを目指しているっていうことはずっと言っていたのでまだまだこれから何ができるかは探っているところです」 ダンサーとタクシードライバーの二刀流。第二の人生はまだまだ始まったばかりです。
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