「実質的に解雇の代替手段になっている」 無理やり“退職届”を書かせる「強引な退職勧奨」の問題を弁護士が訴え
面談の直後に「退職が決まった」と社内に発信される
会見では、キャラクターグッズの企画・販売を行うY社に勤めていたB氏の事例も取り上げられた。 B氏は仕事で結果を出せないことを毎月社長に責められたことが原因で適応障害を発症、休職。休職中、同業他社からオファーが届き面接を行った。 その後、傷病手当金を申請したB氏に対し、Y社の社長と常務は面談を行い、「休職中に転職活動をしていたのは会社に対する背任行為だ」と責め立てる。さらに「本当に適応障害なら、こうやって面談で話せるはずがない。噓をついて手当金を申請するのは詐欺行為であり、懲戒解雇しなければならない」などと脅した。 解雇を恐れたB氏は退職に同意したが、その場では退職届を書かなかった。しかし、面談の直後に、「4日後にB氏の退職が決まった」と知らせるメールが社内に発信される。そのまま、B氏は退職となった。 「労働者と使用者では力に差があるため、どうしても、労働者は本心からではない意思表示をしてしまいやすい。労使関係の力の差を考慮した法整備が必要だ」(鈴木弁護士)
弁護士JP編集部