元ヤクルト・由規、引退決めたのは神宮での始球式「神宮で始まり、神宮で終わるのが一番きれいじゃないかなと」 涙の引退会見
堪えていた涙があふれた。ヤクルトで通算32勝を挙げた独立リーグ、ルートインBCリーグ埼玉の由規投手兼任コーチ(34)=本名佐藤由規=が16日、埼玉・越生町のビオリゾートホテル&スパ オーパークおごせで引退会見に臨んだ。 引き際が頭をよぎる中、9月19日のヤクルト―広島(神宮)で始球式を務め「神宮で始まり、神宮で終わるのが一番きれいじゃないかなと思った」と引退を決断した。ファンへの感謝を口にした際には涙を堪えきれず「悔いはない。17年間、全てに意味があった。よくやったなと自分を褒めてあげたい」と話した。 宮城・仙台育英高から2008年に高校生ドラフト1巡目でヤクルトに入団し、10年に当時日本投手最速の161キロを計測。同年12勝を挙げたが翌年に右肩を痛め、13年に手術。育成契約を経て、16年に1786日ぶりの勝利を挙げて感動を呼んだ。「神宮での復帰のマウンドが一番印象に残っている。全てが報われた」と振り返った。19年から楽天、21年からはBC埼玉、台湾楽天でプレーした。 今後は指導者の道を目指す。「困ったときに選手に寄り添えて、選手からは聞きに来てもらえるような信頼感を大事にしたい」と由規。ヤクルトがコーチとして招聘(しょうへい)に動いており、実現すれば7年ぶりの古巣復帰となる。(長崎右)