朝ドラ「おちょやん」発表会見全文 杉咲花「体力にはわりと自信がある方なので」
NHKは30日、大阪放送局で記者会見を行い、同局制作の2020年度後期・朝の連続テレビ小説が、上方の女優の代名詞、大阪のお母さんと呼ばれて親しまれていた女優、浪花千栄子氏をモデルとした「おちょやん」に決まったと発表した。またヒロインの竹井千代を女優の杉咲花が演じることも発表した。この記事では、会見の様子を全文お伝えする。 【写真特集】2020年後期朝ドラ「おちょやん」ヒロイン・杉咲花が笑顔の会見
制作統括あいさつ「タイトルは『おちょやん』です」
番組の櫻井壮一制作統括あいさつ 櫻井:本日は、来年秋から放送予定の連続テレビ小説のタイトル、企画、脚本家、ヒロインを発表させていただきます。それではまず、タイトルを発表します。 タイトルは「おちょやん」です どういうお話かと言いますと、大正から昭和の戦前戦中戦後にかけての大阪を舞台にしたある女優さんの物語。これは今なお、上方の女優の代名詞と言われ、大阪のお母さんと呼ばれて親しまれていた浪花千栄子さんという女優さんをモデルにしております。浪花千栄子さんは大阪の南河内に生まれたんですが、貧しい家に育ちまして、9歳の時に道頓堀に女中奉公に出されます。 そこでお芝居のすばらしさに魅了されて女優の道を進んだ方です。戦前、浪花さんは松竹新喜劇の前進である松竹家庭劇に参加し、そこで2代目渋谷天外さんと結婚。そして喜劇女優としての道を歩んだ方です。そういう彼女の人生をモデルにですね、大阪道頓堀、ど真ん中を舞台にした笑って泣ける人情あふれる波乱万丈の物語を制作したいと思っております。 タイトルのおちょやんですけど、大阪の古い言葉で料亭やお茶屋さんで働く小さい女中さんを意味する言葉です。ヒロインは道頓堀で9年間女中奉公をしていたが、その生活がヒロインの原点で言葉のかわいらしさ、親しみやすさ、そしてヒロインの意地と誇りの象徴としてタイトルとさせていただきました。
脚本家は八津弘幸氏
続きまして脚本家をご紹介させていただきます。脚本家はNHKでは現在放送中のドラマ10「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」を執筆して頂いている八津弘幸さんです。 八津と申します。来年秋の朝ドラを書かせていただくという大変名誉なことになりまして、本当にありがとうございます。まだ細かい内容のことととかは、自分の中でも手探りのところもたくさんあるので、きょうは自分の意気込みみたいなところをしゃべらせていただこうかと思ったんですけど。正直、今の心境としては恐怖という、もう怖くてしょうがないというですね。 それはすごい歴史のあるNHKの朝ドラをやらせていただくというプレッシャー以外になにものでもないんですけど、色々話を聞くと、誰それの脚本家さんは入院なさったとか。誰それさんは7キロやせたよとかよく聞くんで。痩せるのはいいかなあと自分で思ったりはするんですけども、今ちょっとプレッシャーと戦うというところが正直なところです。 最初にお話をいただいた時にどういうものにしようかとなった時に、どうせだから全130話くらいを一日の話でやりませんかとか、じゃあ舞台を2050年の未来都市にしませんかみたいなことも、最初のうち粋がって言っていたんですが、そこは朝ドラという60年の歴史の前にもろくも打ち砕かれですね。 最終的におちょやんという一人の喜劇女優の一代記をやるというですね、王道中の王道というところに行きつくわけなんですけど。少しずつ書かせていただき始めて思うことはですね、本当に王道でよかったなと今思ってまして。やはり朝ドラはこうでなくちゃなということをかみしめながら書かせていただいているわけなんですけども、そんな中でも僕なりの遊び心などを加えて、いい意味でちょっとずつ、これまでとは違う朝ドラ。いい意味で変化する進化というか。進化した朝ドラを皆さんにお届けできたらいいなという風に僕は今思っております。 よく喜劇と悲劇というのは表裏一体というか紙一重みたいなことをよく言いますけど、僕も朝ドラをやらせていただくという喜びの喜劇と、これから一年間締め切りに追われるという悲劇をですね、ちょっとかみしめながら楽しんでやらせていただけたらと思います。どうぞ皆さん、よろしくお願いします。