効果的な腸活には「野菜よりお米」が欠かせない、日本人の遺伝子はご飯を食べるのに適している
これだけ世の中に健康情報が発信され、腸活ブームといわれるほど、腸活の重要性が叫ばれながら、なぜ、食物繊維の摂取量が足りていないのか。 最近は、なにやら炭水化物を「悪者」として、できるだけ減らしたほうがいいという主張をあちこちで目にします。何事もそうですが、過剰に摂取しすぎることが健康に悪影響を及ぼすこともありますが、足りないことによる弊害も大きいことをよく知っておいていただきたいと思います。 そもそも人類は、炭水化物を食べて進化してきたのです。
つい最近まで、石器時代の人類は肉を主食にしていたと考えられていました。しかし、バルセロナ自治大学のカレン・ハーディ博士の研究により、この定説はくつがえされています。 石器時代の人類の歯石を調べたハーディ博士によると、歯石に炭水化物の成分が確認できたといいます。私たちの遠い祖先は、木の実や地下茎などからエネルギーとなる炭水化物を摂取していたのです。 さらに、人類が火を使うようになって加熱調理を始めると、炭水化物から摂れるエネルギーが増加し、その結果、脳が大きくなり人類が進化を遂げたこともわかっています。
■日本人の「ご飯を食べるのに適した」遺伝子を活かす 特に、日本人は「ご飯」を主食に選び、3000年以上にわたって食べ続けてきました。その結果、遺伝子レベルで驚くべき進化を遂げていることがわかっています。 ダートマス大学のナサニエル・ドミニー博士は、世界のさまざまな民族の唾液を調査し、そこに含まれる「アミラーゼ遺伝子」を解析しました。 アミラーゼ遺伝子には、炭水化物(でんぷん)を甘い糖に分解する働きがあります。炭水化物をあまり食べない民族はアミラーゼ遺伝子が4~5個だったのに対し、日本人は平均7個持っていることがわかったのです。
アミラーゼ遺伝子を多く持っているほど、炭水化物を分解しやすくスムーズに利用することができます。このことは日本人が長寿であることの理由の1つとして間違いありません。私たちの祖先は、炭水化物をたっぷり食べていたから、遺伝子さえも進化させて、健康長寿を実現させてきたのです。 炭水化物をたっぷり含む米を栽培できるのは、世界でも一部の限られた地域だけです。そんな日本に住む日本人には、米を中心とした炭水化物をたっぷり食べてほしいのです。