<あなたの“ギモン”直撃リサーチ>ペットボトル緑茶、異例の“一斉リニューアル”のワケ【WBS】
この春、大手メーカーの「ペットボトル緑茶」のリニューアルが相次ぎます。これだけの「一斉リニューアル」は「異例」だといいますが、ナゼ今なのでしょうか。取材しました。 先月行われた記者会見。サントリーの緑茶「伊右衛門」の全面リニューアルが発表されました。 「この状況は何とかしなければならない。日本茶飲料は飲料市場で最も大きいカテゴリーであり、このカテゴリーで負けるわけにはいかない」(サントリー食品インターナショナル ブランド開発事業部の多田誠司部長) 負けるわけにはいかないと強調したサントリー。実はこの春、ペットボトル緑茶ではリニューアルが相次ぎます。 キリン「生茶」は容器、ラベル、味を大幅に刷新。日本コカ・コーラ「綾鷹」は濃さを減らし、軽やかな味わいに。アサヒ「颯」は中身はそのままでパッケージを刷新します。異例ともいえる大手各社の一斉リニューアル。一体何が起きているのでしょうか。 都内スーパーの飲料売り場を見てみると、棚の上から下までお茶、お茶、お茶。茶系飲料は730種もの商品がひしめく激戦区。各社生き残りをかけて商品開発にしのぎを削っているのです。 「こちらの茶葉が伊右衛門に入っている。一番茶と、少し時期が2カ月ほど後ろ倒しになる二番茶。同じ一番茶でも火入れ(焙煎)を変えることにより味が変わる。火入れが弱いと青々しい旨みの強い茶になる」(サントリー食品インターナショナル 商品開発部の伊藤康友さん) 伊右衛門で使用している茶葉はおよそ20種類。茶摘み時期や焙煎する時間の組み合わせで、多種多様な味が出来上がります。
「これが1種類のみで少し苦渋みがしっかりあるお茶になる。こちらは茶葉10種類をブレンドしたもの」(伊藤さん) 見た目には大きな違いはありませんが、飲み比べてみると「味は全然違います」(泉順子ディレクター)。 「一つの味もおいしいのだが、ブレンドすることで飲んだときの満足感や香りの余韻をより楽しめる」(伊藤さん) 200もの試作品を経て、たどり着いた味は「伊右衛門史上、最高水準の濃さを目指して設計した」(伊藤さん)と、茶葉の量は1.5倍、抹茶は3倍に。リニューアル前と比べると、濃さの違いは一目瞭然です。 「今の潮流がゴクゴク飲みやすい茶なので、対極にいくことに対して不安の声も出たが、今ある緑茶のゾーンから一歩出た最高水準の濃さで差別化を図りたい」(伊藤さん)