大ヒット『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆さん、原点は故郷・高知の小学校「働き方改革で読書を」
本好きのきっかけは高知の小学校時代
三宅さんは2022年、3年半勤めた会社を辞め、独立。現在は京都在住で文芸評論家として活動している。京都は冬が寒いので高知には「避寒しに帰ってるっていう感じ」と話すが、実は本を好きになったきっかけは母校である高知市の朝倉第二小学校にあるという。同校では1998年に図書室の鍵をなくして児童がいつでも入れるようにしたり、朝の読書タイムを設けるなど、読書教育に力を入れていて、三宅さん在校中の2004年には文部科学大臣から表彰を受けている。 三宅香帆さん: やっぱり読書推進みたいな文化があったことは大きかったと思います。 (4年生の頃に出会った)はやみねかおるさんの『夢水清志郎』という青い鳥文庫のシリーズがあって、それはもうすっごいハマって。図書室に全巻あったので、友達とも話しながら読んでましたね。 ーーどういうところを好きになったんですか? 今思うと本格的なミステリーですけど、人間関係の描写も面白かったり、キャラクターも面白かったです。その当時、シリーズものでハマることがなかったんですけど、「他の巻も読みたい!」と思った最初のシリーズだったので。セリフも覚えているのがいっぱいありますね。 ーー文芸評論家・三宅香帆の原点は朝倉第二小学校にあった? はい。そう思います。
本との出会いを届けたい
本が「自分の知らない世界を教えてくれたり、自分の知らない言葉を喋ってくれた」という三宅さん。「自分の中の大事な価値観だったり、読書によってすごく助けられた面が大きい。友達とか親には相談できないことを本によって相談できた感覚がある」と振り返る。 ーーもし高知にいた頃の少女だった自分に今の自分からメッセージを送れるとしたら何を伝えたいですか? 「周りの言うことは聞かなくていい」というのは、伝えたいと思います。 私は小さい頃、「人の言うことを聞かなきゃいけないんじゃないか」と思うことが、すごく多かったんです。 けど、自分の考えていることに従わなきゃいけないタイミングだったり、周りに反対されても自分のやりたいことをやらなきゃいけないタイミングはどこかでやってくる。 周りの言うことって、自分にとってはそんなに正しくないことも多いと思うので、それよりは自分のやりたいこととか、自分の好きなことを大事にしてほしいなと思いますね。 ーーこれからの夢や目標を教えてください。 三宅香帆さん: (自分が本の面白さを知ることができたのは)面白い批評だったり、評論に出会ったりとかして、面白さを伝えてくれた存在がいたから。 たまたま自分は運良く図書館に行けたり、図書室に出会えたりしたけど、そこにアクセス自体が難しい人もたくさんいると思うので、そういう人に対して、たまたまネットで見かけた記事だったり、たまたま出会った新書だったりで、本の面白さに気づいてもらえたらいいなと。 本にまだ出会っていない人に対して、出会いを届けられたらいいなと思っています。 (高知さんさんテレビ)
高知さんさんテレビ