体操男子“5人らしさ”貫いて得た金メダル ニッポンの“お家芸”から熱い男たちが新しい歴史をつくる
「パリ五輪・体操男子団体・決勝」(29日、ベルシー・アリーナ) 2大会ぶり金メダルを目指した日本は橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航の5人で挑み、合計259・594点で最終種目の鉄棒での大逆転。16年リオデジャネイロ五輪以来2大会ぶりの金メダルを獲得した。12大会連続のメダルとなった。0・532点差の2位は中国、3位は米国だった。 【写真】歓喜爆発! 奇跡のエースがもみくちゃに ◇ ◇ 体操ニッポンのスローガン「Make New History!(新たな歴史を作れ)」。これは代表選手が合宿を行う、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターに貼られている。五輪代表が決まった後、選手、補欠選手、スタッフ、トレーナーで意見を出し合い、水鳥寿思強化本部長と佐藤寛朗コーチが一つにまとめたものだ。 “お家芸”として輝かしい歴史を持つ体操ニッポン。主将の萱は「いろんな功績を先輩たちが残していただいた」と敬意を払いつつ「それを意識するより、今の5人や日本チーム全体として、新しいチームをつくろうとみんなで決めた」と、過去を背負い過ぎず自分たちらしくあることが重要だと強調していた。 とにかく熱い男たちは、5人らしく戦った。決勝では萱や杉野の“熱血応援番長”を軸に、演技を決める度に観客へ大きくガッツポーズし、拍手をあおり、そして吠えた。対する中国は集中していたのか、全体的に静かな印象だった。そのパワーが、知らず知らずのうちに場の流れを奪っていたのかもしれない。5人らしさを貫いて得た金メダル。橋本は新しい歴史を「つくれました」と極上の笑顔で誇った。(デイリスポーツ・体操担当・田中亜実)