森田剛が雨の中で学徒出陣実況 『劇場版 アナウンサーたちの戦争』予告編&ポスター公開
森田剛が主演を務める『劇場版 アナウンサーたちの戦争』の公開日が8月16日決定し、あわせて予告編が公開された。 【写真】橋本愛演じる戦前に入局した女性アナウンサーの姿も 『劇場版 アナウンサーたちの戦争』場面写真 本作は、2023年8月14日にNHKスペシャルにて放送された『アナウンサーたちの戦争』を映画化したもの。戦時中に国民の勝利への士気を高めるべくプロパガンダの先頭に立ったアナウンサーたちの姿を、事実をもとに描き出す。 主演の森田は、開戦ニュースと玉音放送の両方に携わった伝説のアナウンサー和田信賢を演じる。そのほか、橋本愛、高良健吾、安田顕、大東駿介、浜野謙太、水上恒司、藤原さくら、中島歩、渋川清彦、眞島秀和、古館寛治、小日向文世、遠山俊也がキャストに名を連ねた。 国民にとって太平洋戦争はラジオの開戦ニュースで始まり玉音放送で終わった。奇しくも両方に関わったのが、天才と呼ばれた和田信賢アナ(森田剛)と新進気鋭の館野守男アナ(高良健吾)。1941年12月8日、大本営からの開戦の第一報を和田が受け、それを館野が力強く読み、国民を熱狂させた。以後、和田も館野も緒戦の勝利を力強く伝え続け国民の戦意を高揚させた。同僚アナたちは南方占領地に開設した放送局に次々と赴任し、現地の日本化を進めた。和田の恩人・米良忠麿(安田顕)も“電波戦士”として前線のマニラ放送局に派遣される。一方、新人女性アナウンサーの実枝子(橋本愛)は、雄々しい放送を求める軍や情報局の圧力で活躍の場を奪われる。やがて戦況悪化のなか、大本営発表を疑問視し始めた和田と「国家の宣伝者」を自認する館野は伝え方をめぐって激しく衝突する。出陣学徒を勇ましく送り出す実況を任され、ただ苦悩する和田を、妻となった実枝子が叱咤し目覚めさせる。そして館野もインパール作戦の最前線に派遣され戦争の現実を自ら知ることになる。戦争末期、マニラでは最後の放送を終えた米良に米軍機が迫る。そして戦争終結に向け動きだした和田たちにも……。 公開された予告編は、遡ること戦時中、国民の勝利への士気を高めるべく夢の機械だと思っていたラジオを通して、戦意高揚のプロパガンダの先頭へたたされた和田やアナウンサーたちの苦悩と葛藤の姿が描かれている。和田は、自らが国の扇動に加担しなければならなかった現実に悩み、抗い、苦しみ続け、彼にとって希望だったはずの“言葉”は、武器となり、罪深いものになっていく。そして映像は、雨の中の和田の緊迫した学徒出陣実況のシーンで締めくくられる。 当時の撮影を振り返り、演出の一木正恵は「何が起こるのか。異様な緊迫の中、芝居が始まった。何度もスタッフを圧倒した森田さんの演技は、ここで恐らく振り切れる。故に芝居固めのドライもテストもせず、本番へ。憑依から客観、呟きから慟哭、そして絶叫。人間の闇、狡さ汚さから逃げない森田さんの生き様が、この実況のため肉体を極限まで追い詰めた信賢の魂と交錯。痛ましくて直視出来ない、かつ心臓を鷲掴んで離さない凄まじい引力。私は時空を彷徨って芝居であることを忘れ、戦争の無念さに茫然としていた」とコメントを寄せた。 あわせてポスタービジュアルと場面写真も公開。ポスタービジュアルには、森田演じる和田が絶叫する様子が切り取られている。場面写真には、和田や戦前に入局した女性アナウンサーの草分け的存在で、橋本演じる実枝子の姿が写し出されている。 なお、本作のムビチケは7月12日より発売が開始され、特典として“アナウンサーたち”スペシャルポストカード(非売品)が付いてくる。
リアルサウンド編集部