えっ!「Suica」と「ICOCA」って同じ機能じゃないの? 意外な相違点とは……
【2】利用可能エリアや移動可能距離制限が違う
SuicaとICOCAでは利用可能エリア(Suicaエリア、ICOCAエリア)に大きな違いがあります。 そもそも、交通系ICカードは日本全国で利用できるようになっていますが、実は利用可能エリアが大きく14に分割されており、各交通系ICカードごとに利用可能エリアが決まっています。そのため、基本的に各エリアの交通系ICカードで普通列車に乗ったまま、別のエリアで下車するような使い方はできないのです。
まず、Suicaの利用可能エリアは首都圏、青森、盛岡、秋田、仙台、新潟の6つに分かれています。そのため、Suicaが利用できるエリアであっても、それぞれのエリアを跨いで利用することはできません。たとえば、東京駅からSuicaで鈍行列車に乗って仙台で下車するようなことはできないんですね。 ただし、同一エリア内であれば距離は関係ありません。たとえば、「JR松本駅」から「JR浪江駅」は509キロも離れており、普通列車では10時間以上、料金も8,360円かかりますが、同じ首都圏エリアなので、Suicaで普通列車に乗って移動することが可能となっています。
これに対し、ICOCAエリアはひとつしかありませんので、Suicaのような心配をする必要はありません。その代わり、ICOCAは200キロ以上の長距離を移動することができないようになっています。 たとえば「JR大阪駅」から「JR広島駅」までは337キロも離れているので、同じICOCAエリアであっても、普通列車に乗車して移動することはできないんです。また、200キロ未満であっても一部の駅ではICOCAが使えない場合もあるので、ICOCAで長距離移動したいなら、事前にしっかり確認しておきましょう。 ただし、大阪近郊区間内相互発着を利用した場合や、サンダーバード、しらさぎ、くろしおなどの在来線特急停車駅相互間を利用した場合、臨時停車以外の特急やくも号の停車駅相互間を利用した場合、ハピラインふくいとJR西日本区間をまたがって利用した場合などは、例外的に利用可能となっています。 ■エリア 【Suica】6つに分かれており、各エリアを跨いでの利用できないが、エリア内なら距離制限はなし 【ICOCA】エリアはひとつだが、200キロ以上の距離は移動できない