男気・黒田は勝てるのか?
年末に飛び込んできた球界ビッグニュースは、ヤンキースからFAとなっていた黒田博樹(39)の古巣・広島への8年ぶりに電撃復帰だった。 ドジャーズ、パドレスらからの単年21億円とも言われるオファーを蹴って広島からの出来高を含めて約4億円の条件での凱旋を選んだ。金より男気。マネージメント契約をしている吉本を通じてFAXで「野球人として、たくさんの時間を熟考に費やしました。悩み抜いた末、野球人生の最後の決断として、プロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレーさせていただくことを決めました。今後も、また日々新たなチャレンジをしていきたいと思います」というコメントを伝えている。 39歳だが、年齢的な衰えは感じさせずに、5年連続2桁勝利を挙げ、昨季もヤンキースで11勝9敗、防御率3・71という安定した成績を残した。特筆すべきは、そのイニング数。昨季は、1イニングだけ足りなかったが、2011年からシーズン200イニングを3年続けてクリア。1年を通じてクオリティスタートを守ってきた安定感がメジャーでは高く評価されている。ある意味、メジャーバリバリの先発投手の凱旋帰国は初で、どれだけの結果を残せるかには、日本だけでなく海外のファンも関心を寄せている。 黒田のメジャーでの成功の理由は、ツーシーム、カットボールを覚え、メジャー仕様に見事にマイナーチェンジを果たした部分。バックドア、フロントドアと呼ばれるツーシームの出し入れで、メジャーリーガーを翻弄した。しかし、これは大きく変化するメジャーの公式球の特徴と、メジャーのワイドなストライクゾーンを生かしたもので、逆にツーシームに大きな変化を求めることが難しい日本の公式球に戻ると、その特性を生かせるのかという不安が残る。 ドジャースの4年で41勝、ヤンキースの3年で38勝したメジャーリーガーは、果たして日本で勝てるのか?