幻の東京五輪開幕日に史上初の女子ボクシング五輪代表達は何を思うのか?「これも運命…」
強化合宿では、検温、手洗い、うがい、消毒、マスク着用などの感染予防対策が徹底され、2日目のこの日から厳しいメニューが組まれた。 午前中は、体育館で男子高校生を相手にマスボクシングを計10ラウンド行い、午後からは、アップダウンのあるクロスカントリーコースを使っての持久走。1週800メートルあるコースを7周した。浅村雅則監督(日体大)によると、前日は、ストレッチの講習を受け、今後は、水泳やカヌーなどのユニークなメニューも組まれるという。 初日を終え浅村監督は、「結構動けていたと思う」との感想を口にした。 今回の強化合宿の目的は「基礎体力を取り戻すこと」(浅村監督)にある。 「この2、3カ月、動いているとはいえ、前のところまで戻ってない選手が多いと思う。3月のヨルダン(アジア・オセアニア予選)の前くらいまでには戻したい」 実戦感覚を取り戻すことも重要な課題だ。 大学などでは課外活動を制限され、感染リスクの高いスパーリングは、ほとんどの選手が満足に消化できていない。 入江が、「男子高校生と久しぶりに練習ができるので、実戦の勘をどんどん戻していきたい。やらなければならないことが多い。ひとつひとつ課題を潰して最高の状態で来年を迎えたい」と言えば、並木も「日々、練習をしてきたが、対人練習はあまりできていないので感覚をつかんでいきたい。あと1年で技術とフィジカルを向上していきたい」と言う。 1年という時間をどう使うか、が、五輪のリングでメダリストになれるかどうかを左右する。まだ五輪切符を手にできていない2人にとっても夢をつかむための重要な時間。様々な制限や困難が立ちはだかるが、きっと世界のライバル達も同じ条件なのだ。強化合宿は、29日まで同地で行われる予定だ。