幻の東京五輪開幕日に史上初の女子ボクシング五輪代表達は何を思うのか?「これも運命…」
ボクシングの東京五輪女子代表及び代表候補の強化合宿が富山県富山市の山野スポーツセンターでスタート、24日にはメディアのオンライン取材に応じた。この日は、東京五輪が延期していなければ開会式が開催されているスケジュールだった。日本ボクシング連盟は、代表内定選手の変更をせず1年後の大会に挑むが、女子ボクサーとして日本で史上初の五輪出場を果たす彼女らは今どんな思いでいるのだろう。
「金メダルを取らないと誰も注目しない」
7月24日…幻の東京五輪開幕日に日本ボクシング界にとって歴史的一歩を踏み出すはずだった女子ボクサー達は、富山の強化合宿地にいた。新型コロナウイルスの世界的なパンデミックさえ起こっていなければ、人生をかけた祭典が、この日、新国立競技場の開会式から華々しく幕を開けていたのだ。 「こういう状況になったのは仕方がないと言ったらアレなんですが、そういう運命だと思うしかないので。目の前のことをひとつひとつ頑張っていくしかありません」 1年延期された五輪の正式日程が発表されたが、新型コロナの感染状況次第では、どうなるかわからないという不安を抱えた中、フェザー級代表に決まっている入江聖奈(20、日体大)は、迷うことなく前を向く。 ちょうど1年後の2021年7月24日にボクシング競技が両国国技館でスタートするが、入江の階級の1回戦が、その初っ端に行われる日程になっている。 「オリンピックに行ってもメダルを取らないと誰も注目しない。やっぱり出るなら金メダル。五輪の舞台をめちゃくちゃ楽しんでいきたい」 入江は気持ちいいくらいにハッキリと目標を口にした。 入江はボクシング漫画「がんばれ元気」の影響を受けて小学校2年から地元鳥取でボクシングを始めた。“天才ボクシング少女“と評判になるほどのセンスでメキメキと頭角を現し、2018年の世界ユースでは銅メダルを獲得。五輪切符を獲得した3月のアジア・オセアニア予選(ヨルダン)では、準々決勝で、昨年の世界選手権を制しているネスティー・ペテシオ(フィリピン)を破っている。堂々のメダル候補だ。まるでプロのような華麗なボクシングスタイルが特徴でもある。