50歳過ぎから「食」をテーマにひとり旅。地元の食堂、有名シェフのレストラン、市場やデパ地下巡りも。開店時間直後やカウンターのあるお店を狙って
ひとり旅は何も決めずにふらりと旅する楽しさもあるけれど、目的があれば充実度はさらにアップ。自分だけの《楽しみ》《好き》を思う存分に味わう3人の旅スタイルを紹介します。今回のテーマは「食」。ひとりグルメ旅行の達人がおススメする旅先は――。(構成=大野麻里) 【写真】山脇さんオススメの水戸のお店は… * * * * * * * ◆市場やデパ地下巡りも欠かせない《食》 ひとり旅をするようになったのは、50歳を過ぎてから。おいしいものが大好きなので、私にとって「何を食べるか」は旅の大きなテーマです。地元で愛されている食堂や、有名シェフのレストラン、旬の食材、自然派ワインなど……その土地のおいしいものを探しては、訪ねています。 ひとり旅はハードルが高いと感じる理由の1つは、「ひとりで外食すること」ではないでしょうか。「友だちがいなくて気の毒な人ね」と思われているかも? と、つい自意識過剰になってしまう(笑)。私もそうでした。いえ、実は今も苦手です。だからこそ、店選びと訪れる時間帯には気をつけています。 まず店は、ひとりでも入りやすそうな雰囲気の店構えであること。カウンター席があるとさらによし。また私は、旅先で街の下見を兼ねて朝ランニングをするのですが、その時によさそうな店を見つけることもよくあります。走らない方は、散策したり、バスに乗ったりしながら探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。 次に訪れる時間帯ですが、私は開店時間を狙って入店します。17時頃ならまだ空いていますから、「4人席を1人で使って申し訳ない」というような気持ちにならずに済みますし、誰に気兼ねすることなく食事を楽しめる。そしてお客さんが増えてきたところで、会計を済ませてサッと帰ります。にぎやかな場でひとりは、やっぱり居心地悪いですからね。
宿は立地のよさを優先して、駅前や繁華街の近くに立つ新しいホテルに泊まります。慣れない土地ですから、食事を終えてホテルまで安全に帰れることも重要。遅くても21時までには部屋に戻るようにしています。 食を楽しむためには、市場や道の駅、デパ地下での旬の食材や調味料探しも欠かせません。味噌や醤油、酢などは特に地域色が強く出るため、おもしろいですよ。先日も盛岡朝市に行き、手作りのお味噌汁を飲んできたところです。 「食べたことない山菜だ!」「山形のラ・フランスも買わなきゃ」、そんなふうに見てまわっていると、3~4時間なんてあっという間。家族には多少のわがままを許してもらえても、友だちと一緒ではさすがにできませんよね(笑)。ひとりでよかった、と思える瞬間です。それに市場やデパ地下は、女性ひとりでも浮かない場所ですからおすすめです。 私はいつも、お箸とスプーン、小さなナイフとワインオープナーを旅のバッグに忍ばせています。街を巡りながら購入した惣菜やお菓子、果物をホテルの部屋で食べることもよくあるからです。 初めてひとりで訪れた京都では、緊張しすぎて店に入れず、鯖寿司をテイクアウトしてホテルで食べたのがいい思い出(笑)。旅に慣れてきた今でも、食べてみたかった老舗のお弁当に、ワインとデザートまで買い込んで、部屋でゆっくり楽しむ日もあります。
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