ECBホルツマン氏、12月に0.25ポイント利下げはあり得る
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、インフレの上振れリスクが根強く残るものの、年内の0.25ポイント追加利下げは最もあり得るとの認識を示した。
ホルツマン氏は国際通貨基金(IMF)年次総会に出席するため訪れているワシントンでのインタビューで、より大幅な0.5ポイントの利下げや金利の据え置きの可能性も排除できないとも指摘した。
「12月に0.25ポイントの利下げはあり得るだろう」とした上で、「より大きな0.5ポイント利下げの公算は小さいが、不可能ではない。ただ、10月に先手を打って利下げを実施したことで、われわれは12月に一休みするには十分だったと結論付けるかもしれない」と語った。
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エコノミストやトレーダーは12月の追加利下げを見込んでおり、特に後者は大幅利下げに賭ける傾向を強めている。
ポルトガル中銀のセンテノ総裁は0.5ポイント利下げの可能性に触れたが、大半の当局者は具体的には踏み込んでおらず、さらなる金利の引き下げが必要だとの認識を示すにとどまっている。
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ホルツマン氏はインフレデータが許せば、より速く中立に達することに問題はないと話した。
ユーロ圏の9月のインフレ率は1.7%と予想以上に鈍化。向こう数カ月は上向くと見込まれているが、複数の当局者は消費者物価の伸びがECBの目標である2%をアンダーシュートする恐れがあると警鐘を鳴らしている。
ECB政策委員会で最もタカ派的な1人と見なされているホルツマン氏はこれに納得しておらず、「インフレ率が予想より強まる可能性があるとなお懸念している」とし、「もちろん下振れリスクもあるが、こうしたリスクが支配的と結論付けるほどではない。リスクが下向きに傾いているというのは、政策委ではまだ少数意見だと思う」と述べた。