想像を絶する怖さ……遊泳中に「離岸流」に巻き込まれたら? 人工の岬にも注意 浮き具“漂流”を検証【#みんなのギモン】
■風で浮き具が流される危険性を検証
近野解説委員 「海に行くと浮き輪やフロートなどの浮き具を使うと思いますが、浮かんでいられるので安心できるのかなという一方で、流される事故も実際に起きています。専門家や、安全を確保するためのダイバーを配置し、陸から海への風が吹いている状況で検証しました」 「浮き輪に乗って目印から手を放すと、5分後にはかなり流されました。上空から見ると、約8分半で30メートル以上流されました。専門家は『水面よりも上にあるものは風を受けやすく、流される』と説明した上で、別の危険も指摘しています」 「水難学会の斎藤理事によると、浮き輪で流されている時に、自分自身から見える景色はさほど変わらないので、自分が流されていることに気づくのが遅れ、事故につながる可能性もあるそうです」
■浮き輪とフロートの違いは?
近野解説委員 「さらに、いろいろな形があるフロートは浮き輪よりも早く、3分ほどで30メートル以上流されました。なぜ早いのでしょうか?」 「浮き輪は水の中に入っている体の部分が抵抗になって流されづらくなるそうですが、フロートに乗ると、体もフロートも、『風の帆』のようになってしまい、より流されやすいということです」 刈川くるみキャスター 「フロートはかわいらしいデザインが多いので、好きな子どもたちも多いと思います」 「短時間でこれだけ流されると、陸で見ている親御さんも『さっきまでそこにいたのに』とびっくりしてしまい、助けに行くとまたみんなの命が危険になるので、浮き輪の選び方と遊び方に気をつけないといけないですね」
■水遊びの注意点…フラッグの色を確認
近野解説委員 「一瞬のゆるみがとり返しのつかないことになる恐れがあります」 「注意点はたくさんありますが、政府などのホームページからいくつか絞って改めての確認です。例えば、監視員やライフセーバーがいる海水浴場を選んでください。そして海水浴場で使われるフラッグ(旗)の意味を知っておいてください」 「青は安全に遊べる『遊泳可』。黄色は『遊泳注意』で、足がつく範囲で遊びましょうというものです。赤は『遊泳禁止』。赤と白の格子模様はとても重要で、津波が来るというような危険を知らせるフラッグです」 「特に今は南海トラフ地震の臨時情報が出ていますが、海にいるとそもそも地震が来たことに気づかない場合もありますし、呼びかけの声も拡散してしまって聞き取れないかもしれません。そういう時のために、これらのフラッグを是非覚えておいてほしいと思います」