「大手施工」でも例外ではない…なんと「新築一戸建て」の半数以上に「不具合」が指摘されているという「衝撃的な事実」
なぜ新築住宅の施工中に不具合が起きてしまうのか
施工中に不具合が起きてしまう要因の多くは、ヒューマンエラーです。資材のカットやパネルの生産などは工場で行ったとしても、家を建てるにあたって人の手で行う作業がゼロにはなることはありません。不具合を起こさないのが一番ではありますが、人の手が入る以上、ミスが起こる可能性はあります。 ミスや不具合があったとしても、次の工程に入る前にしっかり検査し、是正することができれば問題ありません。しかし、近年深刻化している職人や現場監督の人手不足が、施工精度の低下やチェックの甘さに少なからずつながってしまっているものと考えられます。 現場監督の業務は、施工品質の担保だけでなく、職人や資材の手配、スケジュールの管理など多岐にわたります。一人の現場監督が、何棟もの現場を担当していることも少なくありません。 2024年4月、建設業従事者の時間外労働に上限規制が適用されました。これは、いわゆる「建設業の2024年問題」といわれている問題です。ただでさえ逼迫していた人手やスケジュールが現在、さらに逼迫している可能性もあります。加えて2025年4月からは、審査省略制度「4号特例」が縮小となります。これにより、一部の審査が省略されていた木造2階建てなども審査が必要になることで、現場ではさらなる混乱が起こる可能性があります。 家を建てる方におかれては、まず施工会社の検査体制をよく確認することが大切です。「検査体制がある」ということで安心するのではなく、いつ・どのような検査をするのか、検査結果が報告してもらえるのかまで確認しましょう。客観性を重視するのであれば、第三者機関による検査の実施を検討する必要もあります。とくに工期が遅れている状況では、ミスが生まれやすくなります。着工前に工事の工程表を共有してもらい、工期遅れが見られる場合はとくに注意が必要です。
友田 雄俊(さくら事務所・ホームインスペクター)