【速報】逆転勝訴 旧優生保護法訴訟で国に1320万円の賠償命じる判決 不妊手術めぐり70代夫婦が賠償求めた裁判 長男出産の3日後に何の説明もないまま手術
「私と夫の幸せを奪われた。手術の痛みを忘れることはできない」
控訴審での意見陳述で、妻は改めて悲痛な思いなどを訴え、公正な判決を求めました。 妻の意見陳述(抜粋) 「地裁判決では私たち夫婦の気持ちを受け止めてもらえず、悔しい思いがしました」 「私が手術を受けたことを示す(当時の)資料は、もうどこにも残っていません。裁判を起こすまでの準備も非常に大変でした」 「本来であれば子どもを3人産みたかったです。けれど、1人しか産めませんでした」 「私と夫の幸せを奪われたと思っています。あの時の手術の痛みはいまもずっと忘れることができません」 また代理人弁護士も、 ▽民法の時効停止は私人間への適用が想定されていて、国の違憲法令により生じた“異常事態”への適用は想定されていない(そもそも除斥期間の適用を制限する際に、時効停止規定に基づかなければならない理由もない) ▽「提訴の前提となる情報」には、「自らが優生手術の被害者」という情報が含まれるのは自明。その情報にアクセスしたのは、手術痕に関する診断書を取得できた2019年8月とみるべきで、その4か月後に提訴している ▽非人道的な人権侵害を行った国の責任が “形式論理” によって免除され、被害者の救済の道が断たれる判断はあってはならない。司法府としての矜持をもって適切な判断をしてほしい などと訴え、請求を認めるよう改めて求めていました。
夫婦が逆転勝訴「手術痕の診断書を取得した時から6か月以内に提訴している」賠償請求権を認める
大阪高裁(阪本勝裁判長)は1月26日、旧優生保護法を改めて違憲と断じ、1審と同様に除斥期間をそのまま適用することは避けた上で、「提訴が困難な事情が解消されたのは、夫婦が下腹部の切開創についての診断書を取得できた2019年8月とみるべき」として、“時効停止の6か月”の起算点を変更。 提訴が行われた2019年12月時点では、賠償請求権は消滅していないと結論付け、国に1320万円の賠償を命じる逆転勝訴判決を言い渡しました(妻に1100万円/夫に220万円)。
逆転勝訴した妻「霧が晴れたような感じで大変喜んでいる」
判決言い渡し後、逆転勝訴した妻は大阪市内での会見で「今まで苦しい戦いをしてきた。霧が晴れたような感じで大変喜んでおります」「本当だったら子どもを産んで育てたかったという気持ちは今もあります」「国には謝罪してほしい」などと語りました。