断水や通行止め 記録的大雨の影響大きく 沖縄本島北部
沖縄テレビ
9日未明から10日にかけての大雨は国頭村だけでなく本島北部の各地に土砂災害や浸水などの被害をもたらしました。一部地域では断水や通行止めが続いていて、大雨の影響が生活を直撃しています。 本島北部では9日午前0時過ぎ、非常に激しい雨が同じ場所で降り続く線状降水帯が発生しました。東村では10日夜までの48時間に降った雨の量が1981年に観測を始めてから最も多い639ミリを観測するなど、国頭村や大宜味村でも記録的な大雨となりました。 これは11月の平均雨量の5倍、梅雨時期の6月の2倍を超える雨量です。この間に気象庁が出した「記録的短時間大雨情報」は18回に上りました。 沖縄気象台 大吉智也予報官「1時間に110ミリ以上の雨を観測または解析した際に発表する情報になるんですけれども、9日では12回、10日では6回、計18回。」 「(梅雨時期)それ以上のものがこの2日間で降っているといったところですので、とても危険な状態だったということは言えるかと思います。」 新城カメラマン「土砂崩れの影響で道路が寸断されています。」 県によりますと大雨の影響で国頭村や名護市、東村では少なくとも5件の土砂崩れが確認され、東村の国道331号線や名護市と東村をつなぐ県道14号線が通行止めになっています。 大宜味村津波ではアザカ川が氾濫し、橋の欄干には大量の流木が引っかかっています。この付近では車が水没する被害も。 住民「どんどん水かさがあがってきて車の中にも水が入ってきて、結局車の天井の所まで水がきて自分と家内が二人で車の上に避難して。」 各地を襲った大雨は濁流となって集落に流れ込み、家屋の床上・床下浸水の被害が相次ぎました。 名護市の住民「(水が)膝くらいまできていました。ふつうはそこまではならないんだけど、山からの水があふれているのも初めて見ました。」 名護市の住民「この辺まで、お尻まで水が。畳もみんな全滅」 大宜味村では津波浄水場が浸水し、村内のほぼ全域にあたるおよそ1700世帯で断水しています。このため村は9日から給水車を手配し、大宜味小・中学校や村農村環境改善センターに給水所を設けていますが、浄水場の復旧が急がれます。 大宜味村の住民「(水が)全然出ない。当分風呂も入れないんじゃない。これ回復はいつするのかな。早く復旧してほしいですね。」 環境省沖縄奄美自然事務所によりますとウフギー自然館の駐車場に設置されたプレハブが浸水し全壊しました。 自然館は改修工事中のためヤンバルクイナやノグチゲラなど保護していた野生生物は別の施設に移され影響はありませんでしたが、一部希少生物の標本などが浸水したということです。 これまでに降った大雨で、地盤が緩んでいるところがあり気象台は引き続き注意するよう呼び掛けています。 「この後、少しの雨でも土砂災害の危険はありますので、引き続き土砂災害に留意いただければと考えております。」 北部地域では土砂崩れや道路の破損などが各地で相次いでいるほか一部地域で停電も発生していて、住民生活への影響は長期化する恐れがあります。
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