面接で危ない会社を見抜く視点と倒産前の会社から確実に離れる方法(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■退職代行サービスを使うのは甘えなのか?
そこで、ここ数年脚光を浴びているのが「退職代行サービス」。 このサービスは、社員の代わりに退職を告げてくれるサービスで、弁護士や社会保険労 務士、その他の企業がこの退職代行をサービスとして提供しています。 なお、社員の代理人になれるのは法律上弁護士のみ。弁護士以外のサービス提供者は代理人になることはできませんので、あくまで「退職通知の代行」業務のみとなります。 この退職代行に関しては様々な意見があります。中でも辛辣なのが「退職代行を使うのは甘え」という意見です。法律上、ただ「辞める」と伝えるだけなのに、そんなサービスを使うべきではないというもの。中には、「弱者からお金を巻き上げて、法律的に代理・代行するサービスを行うのは言語道断」みたいな強烈な言い方をして批判する人もいるようです。 これは個人的な意見ですが、病んだり自死を選んだりするくらいなら、甘えと言われようがなんと言われようが、退職代行を使ったほうがいいです。現代社会は、昔のようなシンプルさはありません。メンタル不調なんて言葉もなかった。鬱病も甘えと言われていた。でも、いまは本当に複雑なんです。 SNSやチャットツールを通じた人間関係やおびただしいほどの情報。自分よりもっと過重労働で苦しんでいる人が辞めていないとか、自分の会社よりブラックな企業で耐えている人もいる。そんな情報もすぐに手に入ります。しかも、その情報が本当か嘘かもわからないのに。 つらいなら、退職代行を使って辞めていいと思います。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。