現役ドラフトで移籍した平沢大河、濱地真澄は新天地で全盛期を迎えることができるか?【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.49』】
9日、現役ドラフトが行われました。今年は初めて2巡目の選手が指名され、13名の選手が他球団への移籍が決まりました。今回選ばれた選手の中には思い入れのある選手も移籍しています。 【一覧】現役ドラフト指名一覧
西武に移籍した平沢大河はシャープな打撃を西武で復活を!
まずはロッテから西武に移籍した平沢 大河内野手(仙台育英)です。平沢選手を初めて見たのは2014年の春季東北大会でした。4番ショートでスタメン出場した平沢選手は2回戦のいわき光洋戦で3ランを含む4打数3安打2打点の活躍を見せました。細身ではありましたが、スイングが非常に鋭く、楽しみなスラッガーとして見ていました。この夏は甲子園に勝ち進むことができませんでしたが、秋では神宮大会に出場して、10打数5安打、1本塁打5打点の活躍で、優勝に貢献。神宮球場でも大きなアーチを飛ばして、軽快な遊撃守備を披露し、超高校級遊撃手として活躍しました。 平沢選手が全国でも大活躍を見せたのは3年夏となった15年甲子園。センバツ後の東北大会で右足小指を骨折してしまいましたが、夏の甲子園で初戦の明豊戦で特大本塁打を放ち、ファンに衝撃を与えました。この本塁打はチームメイトにも驚きだったようで、チームメイトだった郡司 裕也捕手を慶応大1年生の時に取材した時、「ネクストバッターズサークルで見ていましたが、エグい打球だった」と振り返っています。この大会では25打数6安打でしたが、3本塁打6打点2二塁打と長打率.680と長打が打てるところを示し、評価を大きく上げました。 そして、高校日本代表にも選出され、主に5番打者として、31打数8安打、10打点の活躍を見せてくれました。日本で行われた世界大会ということで、筆者も密着していましたが、 木製バットでも的確にボールを捉え、ライナー性の打球を飛ばす姿に高校生野手としては別格の選手という印象を受けました。甲子園と世界大会での活躍により1位指名を確実とした平沢選手はロッテ、楽天の2球団の競合の末、ロッテが交渉権を獲得しました。ロッテでの9年間は通算10本塁打、135安打、打率.194となかなか結果を残せていません。一軍未出場の年は20年、21年、24年と3度もあり、ドラフト1位選手としては物足りなさがあります。 シャープなスイングを復活させ、西武の救世主となるか。この移籍がきっかけになることを期待したいです。