マカオ、高校中退した青少年を運び屋に仕立て密輸従事させる事案摘発
澳門海關(マカオ税関)は1月9日、いわゆる運び屋による密輸行為の趨勢を注視し、情報収集と分析を進めるとともに、継続的な取り締まりを実施する中、近日マカオ司法警察局から学生が運び屋に従事しているとの情報があり、合同で摘発を実施したと発表。 税関によれば、マカオの高校から司法警察局へ制服を着た青少年が(マカオ半島北部にある中国本土との主要な陸路の玄関口)關閘イミグレーション付近で喫煙するとともに、運び屋に従事している可能性があるとの通報が寄せられたことから、同局が内偵捜査を進めたところ、1月7日に青少年3人がマカオ半島北区にある工業ビルに入った後、制服を着て再びビルから外に現れ、タクシーに乗って關閘イミグレーションに向かったことから、税関にフォローアップの要請が入ったという。 これを受け、青少年3人が關閘イミグレーションの出境ルート上にある税関検査場を通過した際、呼び止めて検査を行ったところ、いずれも密輸品の中古CPU合計552個を着衣の下に隠していたことが発覚。
司法警察局と税関による捜査で、青少年3人が上述の工業ビル内にあるテナントで密輸品をピックアップしたことが明らかとなり、7日夜に当該密輸品供給拠点に対する摘発を実施。テナント内及びその天井裏から約2万点の電子製品、市価約1600万パタカ(日本円換算:約3.2億円)相当分のほか、偽装用とみられるマカオの複数の学校の制服およそ40点が見つかったとのこと。 今回運び屋に従事した青少年はいずれも高校中退者した16~17歳で、当局の調べに対して毎回200人民元(約4300円)の報酬を得て、物品の越境運搬に従事したと説明したという。税関では3人を対外貿易法違反で起訴するとともに、現場不在だった密輸品供給拠点の責任者らの行方を追っているとした。 マカオでは、これまでにも違法組織がいわゆる闇バイトを募集し、これに応じた若者らを運び屋に仕立て、密輸に従事させるケースが確認されており、税関が青少年らに対して「すぐに稼げる」などの来歴不明の人材募集告知などを鵜呑みにしないよう累次の呼びかけを行うとともに、教育当局を通じて学生への遵法意識向上プロモーションなどを展開している。 なお、マカオは中国広東省の珠海市と近接しており、越境通学は珍しくない。