【シンガポール】スターハブ、ドコモなどと新技術の試験成功
シンガポールの通信大手スターハブは29日、NTTドコモ、同社とNECの共同出資会社オーレックス・サイ(OREX SAI)と提携し、特定企業の通信機器に頼らない最新の携帯電話基地局の運用方式「オープンRAN」の技術に対応した第5世代(5G)移動通信システムサービスの試験通話を成功させたと発表した。 オープンRANは、無線基地局の仕様を共通化することにより、異なるメーカーの機器やシステムの相互接続を可能とする無線アクセスネットワークだ。通信会社は顧客のニーズに沿ったサービスを提供するための適切な機器を選び、ネットワークを構築できるようになる。 オープンRANの実証試験は28日、スターハブの本社で実施。電子計測器大手の米キーサイト・テクノロジーズなどが立ち会い、エンドツーエンド(通信を行う二者を結ぶ経路全体)の無線RANの品質を検証するソリューションを用いて検証した。 スターハブのオープンRANは平均遅延15ミリ秒で、下り最大1.295ギガビット毎秒以上、上り最大73.5メガビット毎秒のデータ転送速度を達成。シンガポールで消費者向けに展開できる品質であることが証明された。 スターハブのアユシュ・シャルマ最高技術責任者(CTO)は、「実証実験の成功により、シンガポールで初めて同技術を導入することができる」と説明した。 NTTドコモの安部田貞行氏は、「本技術の導入で通信会社にさまざまな選択肢を与えることができ、運用コストの削減にもつながる」と述べた。