「自分が余命を告げられたら選ぶかもしれない」 田中麗奈、“トラベルドクター”が実現する人生最期の旅は「素敵なこと」
今一緒にいる家族と作った思い出の沖縄
女優の田中麗奈が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に初めて臨んだ。担当したのは、8日に放送される『あなたの願いはなんですか~夢をかなえる処方箋~』。人生最期の旅行を実現するために奮闘する医師“トラベルドクター”とその依頼人たちを追った作品だ。 【写真】故郷の海を訪れた依頼者家族 実際に人生最期の旅行に出かける姿を見て、「素敵なことだなと思いました」と受け止めた田中。そして、「自分が余命を告げられたら選ぶかもしれない」と想像した――。
■座るだけでも大きな負担…北海道から岩手へ 4年前、医師による旅行会社「トラベルドクター」を立ち上げた伊藤玲哉医師(35)。旅の依頼をしてくるのは、難病や医師から余命を告げられた患者とその家族だ。病状や体調に合わせた旅の計画を立て、24時間付き添う形で、依頼者が望む“人生最期の旅”をかなえてあげている。 これまでに約200人の願いを実現してきた中で番組が同行したのは、肺がんを患い、余命宣告を受けた北海道在住の健一さん(仮名・68)の旅。その依頼は、生まれ故郷である岩手への家族旅行だった。 長い入院生活で病院のベッドで寝たきり状態の健―さんにとって、座るだけでも大きな負担だが、伊藤医師のサポートを受け、親族との再会に笑顔を見せる。そして旅の終わりに健一さんから50年連れ添った妻へ語られたのは、今まで言えなかった感謝の思いだった…。
■伊藤医師の第一印象は「依頼主さんの息子さんだと」 トラベルドクターという仕事を知らなかったという田中。「亡くなる時は病院か自宅かという2つの選択肢しかないものだという固定観念があったのですが、そこに伊藤さんが作ってくれた“旅”というのも考えると、自分も余命を告げられた時に選ぶかもしれないなと思いました。人生の最期における選択肢が広がることや、少しワクワクする気持ちや喜びが生まれることは、素敵なことだなと思いました」と受け止めた。 もし自分が旅という選択肢を選んだ時に行きたい場所として挙げるのは、沖縄。「家族旅行で毎年沖縄に行っているんです。海や空気が柔らかくて、暖かくて、カラッとしていて、それだけでワクワクします。故郷(福岡・久留米)も考えたのですが、自分だけの懐かしい場所なので、今一緒にいる家族と作った思い出の場所に、最後にもう一度行きたいなと思うかもしれないですね」と想像した。 伊藤医師の第一印象について、「最初にVTRに登場された時に車椅子を押していたので、依頼主さんの息子さんだと思ったんです。それくらい家族のようなほぐれた空気の中で自然に接していられたので、そこにまずびっくりしました」と驚かされたという。 だが、トラベルドクターの事業は赤字続きで、自分の給料は4年間で一度も出せていなかった。ある種の“自己犠牲”を伴いながら取り組む姿に、「今回、ご両親のお話も出てきますが、そこから受けた愛情から、自分のことだけでなく、人のことを考えられることにつながったのかなと思いました」と捉えた。