鈴鹿アパート住人強殺、被告に無期懲役求刑 津地裁18日判決 三重
1月に三重県鈴鹿市のアパートで住人の近藤康夫さん=当時(77)=が殺害された事件で、強盗殺人や住居侵入などの罪に問われた住所不定、無職美崎芳一被告(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が5日、津地裁(西前征志裁判長)であり、検察側は「動機は極めて身勝手」などとして、無期懲役を求刑した。判決は18日に言い渡される。 検察側は論告で「抵抗する被害者の首を力を弱めることなく絞め続けた悪質で残虐な行為」と指摘。「大麻代金を得る目的も含む犯行で、極めて卑劣で身勝手極まりない」と主張した。 その上で「金を貸してくれた被害者を狙い、以前にも被害者の車から金を取ろうとした。被害者には何の落ち度もなく、被告に親切にしたのに金のために殺害された」と強調した。 弁護側は「凶器は持ってきたナイフではなく、部屋にあった衣類。殺害は突発的で、殺意はあったが、確定的ではない」などと主張。「有期刑が適当」として寛大な判決を求めた。 起訴状などによると、美崎被告は1月8日、鈴鹿市末広北2丁目のアパートの一室に侵入。近藤さんの首を絞めて殺害し、軽乗用車や現金約2万5千円を奪ったなどとされる。また、他に7つの事件に関わったとして、窃盗や詐欺などの罪にも問われている。