【ウインターカップ男子決勝見どころ】前回準優勝の雪辱を果たしたい福大大濠か、夏のリベンジに燃える鳥取城北か
『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の男子決勝戦は、福岡大学附属大濠高校(福岡県)vs鳥取城北高校(鳥取県)に決定。2年連続で最終決戦に駒を進めた福大大濠は勝てば3年ぶり4度目の優勝、県勢初のファイナリトとなった鳥取城北は初優勝がかかる。
■敵指揮官も舌を巻く完成度の福大大濠
ここまでの両チームは、ともに見事な試合を披露して勝ち上がってきた。準決勝でインターハイ覇者の東山高校(京都府)と対戦した福大大濠は、攻撃力を武器とする相手を58得点に封じ、攻めては計84得点を奪って快勝。東山のエースである瀬川琉久には髙田将吾、見竹怜(いずれも3年)が仕事をさせず、わずか13得点に抑えこんだ。 東山の大澤徹也コーチは試合後、「強かったです。もうその一言に尽きます。我々のバスケットがどうこうと言うよりも、今日は大濠さんの完成度を褒めるべきじゃないかなと思います」と素直に完敗を認めた。 一方、快勝した片峯聡太コーチは、「(攻撃の軸である)瀬川選手と佐藤凪(2年)選手のところをしっかりシャットアウトして、少しずつ追い込んでいけたと思いますし、それをしっかり実行できた選手たちはよく頑張ってくれました。あとは全員でのリバウンドでもこちらに分があったと思います」とコメント。「終盤のターンオーバーも少なくなっていますし、仕上がりは悪くない。チームとしてしっかり大会中も成長できている」と手応えを述べ、決勝戦を見据えた。 「どちらが相手でも間違いなくフィジカル的にもメンタル的にもタフな試合になります。正直、今年のチームは受けに回ってしまうと弱いので、絶対に受けに回らず、オフェンスでもディフェンスでも常に攻めの姿勢を忘れずに思い切り戦いたいと思います」
■「初優勝」と「夏のリベンジ」がかかる鳥取城北
鳥取城北は、準決勝で昨年王者の福岡第一高校(福岡県)に81-58の大差をつけて県勢初の決勝戦へ。14点リードで迎えた第4クォーターは開始から相手がゾーンプレスを仕掛けてきたが、見事に攻略して突き放すことに成功した。 指揮を執る河上貴博コーチは「プレスに対する準備はしていましたが、実際にどうなるかすごく怖かったです。はじめは引っかけられましたけど、それでも選手たちが落ち着いてプレーして、シュートもしっかり決めてくれました」と総括。ハロルド アズカ(2年)の18得点を筆頭に5選手が2ケタ得点を挙げて的を絞らせなかった。 「どの選手もコートに出たら自信を持っていますし、攻守両面で『自分が流れを作ってやる』という気持ちでプレーしてくれています」と指揮官が言うように、鳥取城北の強さは思い切りの良さにある。 鳥取城北は今夏のインターハイでベスト8まで残ったが、準々決勝で敗れた相手が福大大濠だった。夏はリードして試合を折り返すも、最終的に10点差で敗戦。「夏は本当に悔しい思いをしました。大濠さんはすごく強いチームですので、私も含めてチーム一丸となって戦いたいと思います」と河合コーチは意気込みを語り、優勝へのポイントを挙げた。 「ここまできたら今までやってきたことをしっかりやり続けること。まずは自分たちのスタイルである、しっかり守って走るというトランジションの部分で戦いながら、ハーフコートオフェンスも使ってプレーしていきたいです」 福大大濠が昨年準優勝に泣いた雪辱を果たすか、鳥取城北が夏のリベンジマッチを制し初の頂に辿り着くか。2024年の高校バスケを締めくくる最終戦は、12月29日12時ティップオフだ。 取材・文=小沼克年
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