「ザ・トラベルナース」で看護師演じるキム・ヒョンユル 岡田将生と中井貴一から刺激
男性5人組アイドルバンド「Hi―Fi Un!corn(ハイ・ファイ・ユニコーン)」のキム・ヒョンユル(24)がテレビ朝日ドラマ「ザ・トラベルナース」(木曜後9・00)で韓国からやって来た勤勉で礼儀正しい看護師、パク・イジュンを演じている。ドラマ出演3作目で、ゴールデン・プライム帯でのレギュラー出演は初。現場で感じる刺激や気づきを明かした。 これまでインタビューなどで「医療ドラマが好き」を公言していたといい、オファーを受けた時の心境を「とってもうれしかったです」と笑顔で振り返った。今作は2年前に放送された同名ドラマの続編。一定の医療行為を行える米国の看護資格「ナース・プラクティショナー(NP)」を持つ那須田歩(岡田将生)と、すご腕ナースの九鬼静(中井貴一)のコンビが“患者ファースト”で医療現場を改革していく姿を描いている。 事前準備では、看護師の友人を頼るなどして必要な知識を学んだ。「役を任せてもらえた分、一生懸命やり遂げようと決心しました」。背筋が真っすぐ伸びた姿が印象的だが、「自分なりに考えてました!パク・イジュンの真面目な性格を考えたら、絶対に姿勢もピシッとしてるかなって」と役作りも工夫した。 劇中の寮生活では、先輩看護師を演じる岡田、中井と同部屋で過ごす役どころでもある。日本を代表する俳優2人との共演について聞くと、一段と前のめりになった。 「どうしたら良い演技はできますか?」と相談した中井からは、「今、ヒョンユルくんはパク・イジュンのキャラクターをよく消化しているよ」という言葉をもらい背中を押されている。また、演技をモニタリングして「今のようにやればいいと思うよ!」と激励もしてくれるといい、その優しさに大きく勇気づけられている。 岡田からの「せりふは台本のままじゃなくて、言いやすいもの、よく表現できるものをもっと言ってくれたらいいよ。気になるところがあったら一緒に監督さんと会話をして、やり直そう」という言葉には新鮮さがあった。「驚いた」というのが、出演者と制作陣が待ち時間でも休憩しないで、ずっとドラマをより良くしようと話し合う現場の様子だった。「こうやっていいドラマが出来上がってるんだなと思いました」。その刺激を受けてか、せりふがない場面でも看護師としての動きを自分なりに考えて表現するように心がけている。 第3話では試みたアドリブが成功した場面があった。歩(岡田)の上から目線な部分が話題になるところで、対面した吉子(安達祐実)から身長差で「おおっ!上から目線だね」って言われるシーン。「そこで自分がかがんで目線を合わせて“すみません”とアドリブで言いました。それを監督さんが“それ自分で考えたの?良かったよ!”って言ってくださった」。「とてもうれしかったです!」と着実に俳優としての階段を一歩ずつ上っている。 アイドルとしてはグループを引っ張るリーダー。「僕が俳優として少しでも有名になったら、Hi-Fi Un!cornというグループも知ってもらえるかな」と責任感を強く持つ。「まだまだ勉強ばかり」とするも俳優業の魅力は「違う人の人生を経験できること。知らない分野の職業を理解して習得するのは簡単ではないですが、勉強しながら新しい分野を知り、そのキャラクターと僕がどんどん一つになっていくことを感じられることがやりがいです」。 ドラマ関係者は「いつもスタッフひとりひとりに律義にあいさつしていて、素顔も役柄そのまんまの実直な方です」と明かす。劇中のピンとした背筋のように、真っすぐと真摯(しんし)に俳優業に向き合っていくヒョンユルの成長から目が離せない。 第6話は28日に放送。