「ノアの箱舟」計画 国際宇宙ステーションで実施
将来の“ノアの箱舟”の可能性
スペース・パップ実験では、粉状の“フリーズドライ精子”が入ったアンプルビン48本を1セットとして、計3セットを用意した。これらは8月4日に打ち上げられた日本の補給機「こうのとり」で宇宙ステーションに運び、10日に「きぼう」の冷凍庫に保管されて、実験が始まった。今後、宇宙放射線にさらされながら、それぞれ半年後、1年後、2年後に米国のドラゴン補給船で回収される。地上では受精率やDNAの損傷・修復率、子マウスの出産率、その後の成長状態や遺伝子の働きなども調べる。 若山さんは「宇宙放射線の生殖細胞への影響が大きければ、その防御方法の検討も必要となる。逆に影響がないことが確認できれば、宇宙を遺伝子資源の究極の保管場所にする、将来の“ノアの箱舟”の可能性につながる」と話している。 (文責/企画NONO)