大谷翔平、吠えた!怒った!執念の王手返し ドジャース、崖っぷちから8-0 地区S突破へ12日運命の第5戦
ナ・リーグ、地区シリーズ第4戦(パドレス0-8ドジャース、2勝2敗、9日、サンディエゴ)米大リーグの地区シリーズ(5回戦制)が行われ、ナ・リーグの第4戦でドジャースがパドレスに8―0で大勝。2勝2敗とした。大谷翔平投手(30)は二回に右前適時打を放って3打数1安打1打点2四球。四回に本塁で憤死した場面では怒りのあまり声を荒らげるなど、リーグ優勝決定シリーズ進出への並々ならぬ闘志を見せた。 珍しく顔を紅潮させ、不満をまくし立てた。5―0の四回2死二塁。二塁走者の大谷はT・ヘルナンデスが放った打球が左翼線へ抜けると確信。三塁ベースコーチの制止を振り切って三塁を蹴り、本塁を狙った。 しかし、三塁手マチャドのグラブを弾いた打球は、「フェア」を示した三塁塁審の左腕に当たって失速。マチャドがすぐに打球を処理し、大谷はギリギリのタイミングで本塁憤死となった。 ベンチに戻りタブレット端末で状況を確認すると怒り心頭。声を荒らげ感情を爆発させた。その様子にカーショーらナインも驚きの表情を浮かべた。負ければ今季が終わる一戦。1点でも多く―。勝利への執念を前面に出したシーンだった。 「後がないという感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればいいゲームだと思っている」 大谷の取材対応はなかったものの、第3戦に敗れた後に強気な姿勢を貫いた。その言葉通り、二回に右前適時打。先発右腕シースが投じた初球の外角スライダーを強引に引っ張った。第1戦の3ランに続いてメジャー屈指の剛腕を打ち崩し、ロバーツ監督は「翔平が果敢にシースを攻めてくれた。序盤でマウンドから引きずり降ろしたことで、試合の主導権を握れた」とご満悦だった。 四回は四球で出塁し、ベッツの中飛でタッチアップ。今季59盗塁を決めたスピードを生かし、二塁を陥れた。六回も四球を選んで3出塁と相手投手陣に重圧を与えた。 地区シリーズは先勝した後に2連敗。後がない状況で開いた〝爆笑ミーティング〟が結束を強めた。試合前は悲壮感と無縁の空気感で、「周りが思うよりずっと肩の力を抜いていたと思う。ピリピリ感はなかった」とベッツが証言。数人の選手が冗談を言い合うことで笑顔が伝染したという。 2017年のキャンプ中には、現在は通訳を務めるウィル・アイアトン氏(35)がレスリングの試合着姿で約180キロのバーベルを持ち上げるパフォーマンスが、当時ドジャースに所属した前田健太投手(現タイガース)のインスタグラムで紹介された。常勝軍団の選手はときにジョークで一体感を高める〝土壌〟がある。第4戦を前に「どんな困難に立ち向かうか分かっていた。だが、みんな(困難をも)楽しんでいた」とベッツが明かした。