富山県滑川市「旧町部」の古民家、民泊施設に再生
昭和初期に建てられた古民家をリノベーションした一軒宿が、富山県滑川市常盤町に完成した。市内で初となる住宅宿泊事業法に基づく民泊施設で、FP不動産センター(富山市)が空き家対策の取り組みの一つとして整備。同社の石倉央代表取締役(56)は「社会問題の解決策や交流人口の拡大につながればいい」と話す。 宿の名称は「ヴィラ・トキハ」で、すぐ前には本殿などが国登録有形文化財に指定されている櫟原(いちはら)神社がある。 常盤町などが位置する滑川市海側の「旧町部」は空き家が多いエリアで、市が再生事業に取り組んでいる。同市に住む石倉代表取締役も空き家が多いことに加えて物件が売れにくいと感じ、今回は自社で販売を手がけていたこの空き家を所有者から購入し、実験的に宿泊施設を整備した。 建築設計を担った法澤建築デザイン事務所(滑川市)の法澤龍宝代表取締役(41)によると、建物の内装は極力シンプルにして、町屋らしさを残したという。入り口からすぐの客室は、元々あった天井を剥がし、建物の骨組みを見せて開放感を強調。中庭もある。
インバウンドや「女子会」など幅広い用途のほか、滑川を訪れたことがない県民に観光や街巡りの拠点として活用してもらうことを期待。ワーケーションを想定し、ワークスペースも設けた。法澤代表取締役は「移住のきっかけづくりにもなればいい」と話す。 宿泊料金の目安は冬季が4人で1泊2万円。ホタルイカ漁のシーズンなど時期によって変動する。予約、問い合わせはヴィラ・トキハのホームページから。