【忘れ物や時間を間違えることも】「みんなが簡単にできることができない」 悩んだママが心療内科で診断されたのは「ADHDグレー」だった
ADHDグレーと診断されて
ー思い切ってメンタルクリニックの門をたたいたとありますが、受診するまでどういったお気持ちでしたか? メンタルクリニックに行くということはなんとなく大袈裟と感じていました。自分の困りごともひとつずつはとても些細なことで、誰にでも起こることだとも思います。それでもそういった自分のぽんこつミスやうっかりが積み重なり、友人からメンタルクリニックを受診することは特別なことじゃないよとすすめられたことで、ドキドキしながら受診しました。 ーADHDグレーだと診断されたとき、どう思われましたか? クリニックでの診察を通して、白黒はっきりさせることよりも、自分のうっかりミス、勘違いなどによる困りごとの対策が重要と理解するようになりました。 ーご家族は診断結果についてどう話されていましたか? 家族は「そういうことか!」とこれまでの私の言動について合点がいったようです。心理検査で4つの能力(知覚推理、ワーキングメモリ、言語能力、処理速度)を分析していきます。このなかで私は得意と不得意の差が大きいということが分かり、いつものぼんやりミスだけでなく、時々ウソみたいな鋭い指摘や発想を繰り出す謎が解けたと喜んでいました。 ーADHDグレーだと診断され、心境の変化などはありましたか? 診断の過程で、誤字脱字が多くないですか、約束の場所や時間を勘違いしませんか、やっていることを邪魔されてカッとなりませんか、人の話に被せて話してしまいませんか…などなど、自分の個性(?)だと思っていたことが「ADHDあるある」だということが分かりました。拍子抜けした気持ちとともに個性強いタイプと思っていた分(笑)、若干寂しいみたいな複雑な思いでした。
本の出版への思い
ー今回本を出版するにあたり、どのような思いで執筆されましたか? きっかけは書籍のプロローグに描写しているのですが、娘が私と同じタイプなのではないか、そうだった時に私は娘にこれまで自分が言われてきたように「なぜもっと確認してやらないの、注意しないの」と言うのだろうか、でもどうやって注意すればいいかはこれまで学ばずに来てしまった。私が自分のトリセツを作る過程で、娘の良き理解者になることができるのではないか、また同様な課題を抱えている方々に自分の失敗談が役立つかもしれないと思い、執筆しました。 ー本についてどういった方に読んでもらいたいですか? 日常生活でささいなうっかりミスや勘違いが多いとおもっている方、ミスした自分を責めてしまっている方などに是非読んで頂きたいです。私は人より得意、不得意の差が大きいことが分かりました。それによって生きづらさを感じている部分もありますが、何が不得意かを認識することで一定のライフハックで改善できることもありますし、そんな自分を受け入れる過程や、私の笑える(?)ぽんこつ失敗談を見て頂きたいです。 大人の発達障害は気づきにくいといわれています。しかし、体の不調と同様に何か困ったなということがあれば、専門機関に相談してみるのもいいのかもしれません。
ほ・とせなNEWS編集部