折り曲げられる次世代「ペロブスカイト太陽電池」普及へ官民協150団体 中国・欧州対抗
斎藤健経済産業相は21日の会見で、折り曲げのできる次世代の「ペロブスカイト太陽電池」の導入拡大に向け、月内に官民協議会を設置すると発表した。開発に意欲的な欧州や中国勢に対抗し、日本の競争優位を築く考え。 ペロブスカイト太陽電池は、シリコン太陽電池より軽く、薄く折り曲げやすい性質から建物の壁面や窓にも設置でき、シリコンに代わる次世代型として期待されている。 日本発の技術だが、国内ではまだ商品化されていない。積水化学工業が来年の販売に向けて開発を進めている。海外では中国、欧州の企業が高性能化や量産化の動きを進めており、経産省の担当者は「日本に強みがあるが、今後いつ抜かれるか分からないという危機感を持っている」と説明する。 今回新設する協議会には積水化学などのメーカーのほか鉄道会社、中央省庁、地方自治体など約150団体が参加する。メーカーと、設置場所となる設備を有する企業などの業種の連携を深め、需要の創出、供給網の構築、課題の洗い出しなども行う。 斎藤氏は「世界にひけをとらない規模とスピードを実現し、次世代太陽電池の分野で世界をリードしたい」と述べた。