「足を動くようにしてくれ、そうでなければ死ぬ」両脚まひし歩行困難…強い痛み残る 手術ミスで女性患者に重い後遺症…医療事故“連発”の執刀医・松井宏樹被告(46)を在宅起訴
手術で女性患者に重い後遺症を負わせた罪で、執刀医が起訴された。 適切な処置を怠り誤って腰の神経を切断し、女性患者は手術後両脚がまひし歩けなくなってしまったという。 【画像】関わった手術8件で医療事故を起こしていた松井宏樹被告 業務上過失致傷の罪で、27日に在宅起訴されたのは、兵庫・赤穂市民病院に勤務していた松井宏樹被告(46)。
手術ミスで両脚がまひし歩行困難に
女性患者の手術前(2019年4月)の映像では、自ら歩いて車に乗れるほど元気な様子がうかがえる。 ところが手術後は、両脚がまひして歩けなくなってしまい、強い痛みもある状態だという。 女性患者の家族は、「『この痛みを治してくれ、足を動くようにしてくれ、そうじゃなければ死ぬ』ということを言っていました」と話す。 女性は十分に歩くことができた2020年1月、腰の痛みで赤穂市民病院を受診し、腰の骨の変形により神経が圧迫される「脊柱管狭窄(きょうさく)症」と診断された。 担当したのが、当時、脳神経外科医だった松井被告だった。 松井被告の説明(女性患者の家族による): 手術は早くした方がいい。早くしないと人工透析になる可能性がある。 手術を勧め、診断からわずか5日後に自らが執刀し、ドリルを使って腰の骨の一部を取り除く手術を実施した。 ところがこの手術で、松井被告は神経の一部を誤って切断してしまい、女性患者には両足のまひや、尿意や便意が感じられなくなる重い障害が残ったのだ。
手術動画を見た別の外科医は技量に疑問呈する
FNNは手術の様子を記録した動画を入手し、別の医療機関の外科医に検証してもらった。 この外科医は「一部を見た印象だ」と断ったうえで、「いろんなところにドリルを当てにいっている。どこを削ればいいのか分かっていないのではないか(という印象)。1人で手術していい医師なのかと言われると疑問を感じる」と、執刀医の技量に疑問を呈した。 松井被告は、2019年にこの病院に着任した。 この手術を含めて自身が関わった8件の手術で医療事故があり、患者2人が死亡、6人に障害が残った。 松井被告はその後、病院から手術の執刀を禁じられ、2021年に依願退職した。 2024年9月、松井被告は、女性患者と家族が損害賠償を求めて起こした民事裁判に出廷し、手術のミス自体は認めたうえで、“技量不足”との指摘には「前の病院では助手も経験しているし、まったく技量不足ではない」と供述したうえで、「上司の意思にせかされ、よく削れるドリルに変えたことが最大の原因」だと主張した。 2024年7月に書類送検され、27日、止血処置など必要な措置をとらず手術を続け、誤って神経を切断し後遺症を負わせたとして、在宅起訴された松井被告。 起訴を受け、女性患者の長女は「二度と母のような医療被害者を生むことがないよう、執刀した医師を厳罰に処していただき、医療過誤を起こした医師が繰り返し手術したり、不適切な診療を続けることのないよう、医道審議会には厳しい行政処分を下していただけますよう強く望みます」とコメントしている。 (「イット!」12月27日放送より)
イット!
【関連記事】
- 「痛みを治してくれ。足を動くようにしてくれ。そうじゃなければ死ぬ」手術ミスで腰の神経一部切断 患者は両脚のまひなど後遺症 赤穂市民病院に勤務していた医師を業務上過失致傷の罪で在宅起訴
- 【独自】「来いオラ!この野郎」「アイツを降ろせ!」JR横浜駅で“サングラス男”が電車出発を妨害…車内でホームで大暴れ 沿線火災で2時間遅延後の迷惑行為に乗客「子どもとケーキを食べたかったのに」
- 幽霊の正体見たり枯れ尾花…岸田首相突然のホテル泊「首相公邸に幽霊が出る」噂飛び交うも…実際は“水回りトラブル”
- 「永久保存したい」小4男児がノートに描いたリアルな動物に14万いいね…取材後に増えた作品もセンス抜群だった
- 中学教師が「セックス」指導 “コンドームの付け方実践”や“出産シーン鑑賞”に挑戦 「先生セックス何回したことある?」なんて質問も