大阪桐蔭は投手層に厚み、打線切れ目なく 選抜高校野球決勝
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の決勝は31日午後0時半から、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で始まる。補欠校から繰り上げ出場し、滋賀県勢として春夏通じて初優勝を目指す近江と、4年ぶり4回目のセンバツ制覇を狙う大阪桐蔭が対戦する。エース、4番、主将の3役をこなす山田陽翔(はると)投手(3年)を中心に接戦に強い近江か。複数の投手陣に加え、2試合連続2桁得点という破壊的な打撃力で圧倒してきた大阪桐蔭か。春の王者が決まる。【山口一朗】 【全試合あります! 球児の熱い戦いを号外で】 準々決勝の市和歌山戦。先発出場した左腕・前田悠伍投手(2年)は切れのある直球やスライダーで六回までに12奪三振、無失点の好投で鮮やかな印象を残した。昨秋の公式戦防御率0・78はセンバツの主力投手でトップ。だが、前田投手が表に出たのはこの6回だけで、主に別所孝亮(こうすけ)投手(3年)や川原嗣貴(しき)投手(同)が登板してきた。「エース」を温存できる投手陣の層の厚さが強みだ。 攻撃も強打者ぞろいだ。準々決勝では5人が計6本塁打を放ち、大会記録に並んだ。このうち先頭打者の伊藤櫂人(かいと)選手(3年)は1イニング2本塁打を外野席にたたき込み、「野球人生で初めて」と喜んだ。準決勝の国学院久我山(東京)戦では4番・丸山一喜選手(3年)が大会タイの8打席連続安打を記録し、打線の隙(すき)のなさを見せつけた。 チームが掲げるのは「束になって泥臭く」。過去のチームと比べると際立った選手はいないと言われてきた。2021年11月の明治神宮大会を初制覇するなど着実に成果を残してきたが、星子天真主将(同)は「まだまだ力が足りない」と謙虚さを崩さない。 目標はあくまでも4年ぶりの春夏連覇。甲子園で通算60勝を達成した名将・西谷浩一監督は「春に日本一になって、また大きな夏の山に挑戦する」と先を見据える。【隈元悠太】 ◇決勝戦もライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、決勝もライブ中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。