【特集|柏崎市長選】選挙戦へ-原発再稼働〝反対派〟立候補の背景 10日告示【新潟】
任期満了に伴う「柏崎市長選挙」が、10日(日)に告示されます。原発再稼働について、”条件付き容認”を掲げる現職の桜井雅浩さんが立候補を表明する中、6日、”原発反対”の立場から新人の阿部由美子さんが出馬を表明しました。告示直前となった、反対派からの立候補。その背景を取材しました。 【動画】【特集|柏崎市長選】選挙戦へ-原発再稼働〝反対派〟立候補の背景 10日告示【新潟】 ■出馬を表明した 阿部由美子氏 「柏崎刈羽原発を動かすことや東京電力に不安のある人、今の柏崎市政に納得がいかない人、皆さんの〝NO〟をともに突きつけるために立候補します。」 柏崎市長選への立候補を表明した阿部由美子さんは、市内で飲食店を営む傍ら、20年以上にわたり反原発の活動を続けてきました。市民団体『プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク』の共同代表を務めていますが、立候補は「あくまで個人の判断」としていて団体や政党の支援は受けず、無所属で出馬します。 これにより、原発再稼働を条件付きで容認する現職の桜井雅浩さんとの一騎打ちの選挙戦になる見通しです。市民は・・・ ■市民 「面白くなってきた。(議論が)活発になってもらえればいい。」 桜井さんは・・・ ■現職 桜井雅浩氏 「いろんな考えの方が手を挙げて市民から判断を仰ぐのは、きわめて望ましい民主主義の社会である証拠なので、市長の立場としては歓迎すべきもの。」 桜井さんが3期目へ名乗りを上げたのは、8月末のことでした。 ■現職 桜井雅浩氏 「柏崎が置かれている状況は厳しい状況ではあるが、次の4年間も皆さんとともに担わせていただきたいと考えている。」 原発反対派の候補者選考は、難航しました。再稼働に反対する団体や市議は、グループを結成して春から統一候補の擁立を目指してきました。しかし・・・ ■柏崎市議会 星野幸彦市議 「議論を重ねてきて、統一候補の擁立は一本化できないということで断念した。」 共産党も党内でまとまらず、独自の擁立を断念。持田繁義市議によると、市議会には現在、再稼働反対の市議が5人しかおらず、出馬のために辞職すると議会での反対派の力が削がれるという懸念があったといいます。 国や経済界が再稼働への動きを加速させる中、「無投票」の可能性も見えていた柏崎市長選。こうした中で名乗りを上げた阿部さんは… ■出馬を表明した 阿部由美子氏 「選挙がなかったら、みんなが嫌だという気持ちの投票の先がないのはどうよと思って、仕方がないと思って立候補した。」 一方、星野幸彦市議は、阿部さんと同じ市民団体のメンバーですが、今回の出馬表明は「寝耳に水」だったと明かします。2020年の市長選では、弁護士や参議院議員として長く原発反対を訴えてきた近藤正道さんが立候補しましたが、桜井さんに2万票以上の大差で敗れました。 ■柏崎市議会 星野幸彦市議 「今回、より大差で負けるようなことがあれば、(桜井さんが)ほとんどの市民から自分のエネルギー政策や原発再稼働について、信任を得たという主張になるという危機感があり、擁立を断念した。」 反原発活動の世代交代が課題と指摘します。 ■柏崎市議会 星野幸彦市議 「課題は、若い人の賛同を得られるような組織にしていかなければならないこと。」 〝原発再稼働の是非〟が争点となる市長選。早期の再稼働を求める、地元経済界の受け止めは… ■柏崎商工会議所 石坂泰男副会頭 「柏崎市民として、それ以外の政治課題もたくさんある中で、原発の再稼働だけで候補者を選ぶことがあっていいのかと。」 柏崎市長選は10日告示、17日に投開票されます。