『ラヴィット!』『新しいカギ』番組Pが語る「笑い全振り」「学校企画」へのターニングポイント
■27時間テレビの最後が「カギダンススタジアム」だった理由 『新しいカギ』は、今年の『FNS27時間テレビ』のメイン番組に抜てきされ、若年層をはじめコア視聴率で高い数字を記録する成功を収めた。「Buzzビューーン!」のXでの毎分ポスト数の推移を見ると、クライマックスの「カギダンススタジアム」で大きく伸びていることが分かる。 矢崎氏は「最後をどうやって終わらせるかは、ずっと議論していました」と打ち明け、過去の『27時間テレビ』の例も参考にしながら検討した結果、「カギメンバー7人全員が汗をかくのがいいとなったんです。それと、僕が大学生の時に『ワンナイ』でゴリエ杯というチアダンスの大会をやってムーブメントになっていたのを思い出して、時代の流れで“ダンス”で行こうと一致しました」と企画の方向性が決まったという。 カギメンバーにダンス経験者はいなかったが、「皆さんがそれぞれ高校に足繁く通ってくれて、あれだけのダンスを仕上げてきて、本当にやってよかったなと思いました」と手応えをつかんだ矢崎氏。レギュラーの『新しいカギ』でメンバーが踊るダンス企画をやったこともなく、「ゼロイチの企画がコケるというのは何回も経験しているので本当に怖かった」と不安の中で走った企画だったが、グランドフィナーレを受けてXでは「テレビさいこーーー!!」「久しぶりにテレビ見てよかったって思えた」といった反響が相次いでいた。
若手Dはどんどん“イキって”ほしい
最後に、矢崎氏は「地上波の民放テレビというのは、イキって自己表現をする場ではないとプロデューサーになって思いつつも、『27時間テレビ』をやって改めて思ったのは、若いディレクターはある程度イキってもいいところが全然あると思うんです。今回、10歳下の2人の総合演出と組んでやったんですけど、いい感じにお互い切磋琢磨しながらイキってくれました」と紹介。 「最近、“テレビは自分の表現をする場じゃないんだ”って怒られるんですけど、突破力がないと『学校かくれんぼ』みたいな企画も生まれなかったと思うんです。“カギメンバーが学生とかくれんぼする”という作家さんの2行のアイデアから、そこに予算を投下して大人の美術力であれだけの舞台を作るというところに膨らませられたのは、演出がイキった感じで行けたからだと思うので、ぜひ若いディレクターはどんどん意見を言ってもらって、バンバンプロデューサーにぶつかってきてほしいです」と力説した。 ■『ラヴィット!』の精神をTBSの文化に 一方の辻氏は「『ラヴィット!』は平日毎朝8時にやっているというのが何よりも強みだし、使命を背負ってると思います。しんどい人たちのわずかな光になればと立ち上げた番組ですが、僕もサラリーマンなので、そう遠くないうち番組を離れた時に、どんどん引き継がれてTBSの文化になればいいなと思ってますし、この継続性を作れるかが課題だと思っています」と強調。 さらに、「帯番組は週5回あって、今3年9か月くらいやってるんですけど、放送回数は900何十回を迎えているんです。これは週1の番組だと20年やってるくらいになっちゃうので、飽きられないように日々変容しながら、志を持って視聴者に届けていくのはとても難しい課題なので、そこを後輩につないでいければいいなと思っています」と決意を述べた。
中島優