鳩待峠発から至仏山と巡る、春限定の残雪期ルートで行く白銀の至仏山登山と尾瀬ヶ原ハイク
大パノラマの至仏山頂、見下ろせば雪のない春の尾瀬ヶ原
小至仏山から至仏山へは一度前ピークを通りますが、その先のルートはすでに雪がありません。アイゼンを外して岩伝いに山頂へ。小至仏山頂からのパノラマビューとほぼ共通ですが、至仏山からの燧ヶ岳を見やると、眼下に伸びる木道と尾瀬ヶ原が一直線のように竜宮~見晴を視界に収めることができます。ただし、雪は完全に溶けきっています。ヨシの生える泥炭湿原のチョコレート色を、この時期に見ることになるほどに温暖化が進んでいるということでしょう。素晴らしい景観と悲しい予兆が、ここでは同居していました。 ルートは至仏山のベースポイントとなる山の鼻へ下りますが、この下りが大変です。グズグズの柔らかい状態の雪を腐った雪と言いますが、滑ります。時折踏み抜き。そして転倒。滑る、踏み抜き、転倒を繰り返しながらの下りは急勾配。一見たおやかな山容なので、それほどに急ではないだろうと思っていた至仏山ですが、なかなかにハードな勾配でした。 この春の特別期間は、じつに多くのスタイルのハイカーが至仏山に集結します。ボードを背に担いで斜面を滑り降りるスノボ系や、クロカンスキー系の方たちも混じっていたりと山頂からの滑降を楽しんでいるようです。登山者組でもシリソリまたはヒップスライダーと呼ばれる簡易ソリで滑降する人もそこそこ多いです。至仏山の春の残雪利用期間で雪山の楽しさ、そして難しさを体感できました。2024年の至仏山は5月7日から閉山となっています。
ソトラバ編集部