豪州戦は前節のメンバーをほぼ踏襲。なぜ帯同する選手をもっと起用しない? 手堅い采配に傾くのは理解できるが...
招集メンバーは日本サッカー界の貴重な財産だ
リードされた森保監督は、まず右ウイングバックを堂安律に代えて伊東純也。そして8分後には、シャドーの久保と南野拓実を下げ、中村と鎌田大地を送り込む。要するに右サイドで左利きの久保と右利きの伊東が絡んだのは、わずか8分間だけだった。 そもそも左利きの堂安のウイングバック起用が疑問だが、さらにシャドーの久保が再三、サイドにポジションを替えて1対1の仕掛けに回るのも効率的には見えない。4バックの時なら右利きのサイドバックが縦に仕掛けられたが、右サイドが揃ってカットイン狙いでは分厚い守備網は崩し難い。それは左サイドを抉り切り、同点弾を導いた中村のプレーからも一目瞭然だ。 一方で久保の特性を考えても、サイドに出る頻度を高めるよりは、ラストパスからフィニッシュまで選択肢の広がる中央付近でプレーさせる方が得策ではないだろうか。 また森保監督は、今回、アウェーのサウジアラビア戦のメンバーをほぼ踏襲したことについて、こう語った。 「コンディション的には、大幅なターンオーバーをした方が正解なのかもしれない。でもこれまでの経験から、メンバーを替えずに確認事項を減らして積み上げていくほうが勝利の確率が高まると判断した」 しかし反面、「個々が世界との競争の中で選手層が厚くなり、ありがたい状況で監督をやらせてもらっている」と語り、「誰が出ても同じように強いチーム作り」を目ざしているという。 確かにこの10月シリーズは重要な連戦で手堅い采配に傾くのは理解できる。だが招集し、帯同している選手を起用できない理由が、それで確認事項が増えてしまうからだとしたら大きな矛盾になる。 日本代表への招集メンバーは、日本サッカー界の貴重な財産だ。招集の仕方も含めて、監督の重要な采配になるのは言うまでもない。 取材・文●加部究(スポーツライター)
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