都心の動物保護シェルターから、それぞれの個性に合った家庭に巣立った保護犬たち
ここでは、犬と、犬を取り巻く社会がもっと幸せで素敵なものになるように活動している方々をレポートします。 【画像】家族に迎えられたじろくん。先住犬のもちちゃんとすぐに意気投合して、毎日の散歩が楽しみに 今回は、都心に動物保護シェルターを設立し、多くの犬たちの保護、譲渡のほか、適正飼育の啓蒙にも力を入れる保護団体「東京わんにゃん シェルター&アダプション」の活動を紹介します。
綿密な審査と面接によって決められた譲渡先。温かい家庭で幸せになった保護犬たち
東京都にお住まいのHさんは、2023年2月に元野犬で推定4才のじろくんを「東京わんにゃん シェルター&アダプション」から迎えました。 「わが家では一頭の命でも救えたら、という思いから元保護犬を迎えてきました。初代のコが8才で亡くなり、ほかの団体から、もちを迎えました。その後、もちにきょうだいをと考え、じろを迎えることに」と話すHさん。 最初はほかの犬を希望していましたが、シェルターの代表・大野真由子さんが先住犬のもちちゃんの気質を見て、相性ぴったりのじろくんをすすめてくれたそうです。 「もちは一頭だけでの散歩が苦手なのですが、じろが来てからはいっしょに散歩が楽しめるようになりました。審査がほかの団体より厳しかったのでパスできるか少し心配でしたが、じろを迎えることができて本当によかったです」と笑顔で話します。 また、海外から夫の仕事で日本に赴任しているSさんご家族は、推定4才のシーナちゃんを迎えました。 「最初は怖がりだったシーナでしたが、譲渡後もシェルターのスタッフさんが何度も家に来て、散歩のトレーニングなどをしてくれて助かりました。来年にはシーナを連れてイギリスに帰国します。広い公園もあるし、どこにでも犬といっしょに行けるので、シーナに新しい体験をたくさんさせたいです」とSさん。 最後に大野さんに今後の展望を伺うと「犬を迎えるなら、その命に対する責任の重さをより多くの人に知ってもらいたいです。今後も飼育放棄などをなくすために、イベントなどを通じて保護犬のことをアピールしていけたら」とのことです。 出典/「いぬのきもち」2023年12月号『犬のために何ができるのだろうか』 写真/田尻光久 写真提供/東京わんにゃん シェルター&アダプション 取材・文/袴 もな ※保護犬の情報は2023年10月6日現在のものです。
いぬのきもちWeb編集室