羽田空港衝突事故 海保機の進入許可なし 事故4分前からのやりとり、国交省が交信記録を公表
日テレNEWS NNN
2日、羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故で国土交通省が管制官と当該機の交信記録を公表しました。その記録には、海上保安庁の航空機には滑走路進入の許可が出ていないことが示されていました。 国土交通省が公開したのは、事故があった羽田空港のC滑走路を離着陸する複数の航空機と管制官との交信記録の一部で、事故4分前の午後5時43分からのやりとりです。 その中で、管制官から日航機に対して着陸の許可が出ていることが示されています。 管制官「JAL516 滑走路34R 着陸支障なし 風310度 8ノット」 JAL516「滑走路34R 着陸支障なし JAL516」 一方、海上保安庁の航空機とのやりとりは…。 海保の航空機「タワー JA722A C誘導路上です」 管制官「JA722A 東京タワー こんばんは 1番目 C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」 海保の航空機「滑走路停止位置C5に向かいます 1番目 ありがとう」 滑走路手前の誘導路上の停止位置まで地上走行するように指示されたやりとりはあるものの、滑走路に入る許可が出された記録はありませんでした。 しかし、海上保安庁によりますと、海上保安庁の航空機の機長は「滑走路の進入許可を受けた上で進入した」と話していて、食い違う認識を示していることになります。 国交省は、管制官の指示は現時点では適切だったと考えているとしています。 また、日本航空によりますと、日航機の機長は海上保安庁の航空機を視認できていなかったということですが、日航機が着陸してから衝突するまでの間に、運航乗務員が「何かが接近してくるような違和感があった」という趣旨の話をしているということです。 事故をめぐっては、警視庁が機体などの検証を行っているほか、国の運輸安全委員会も海上保安庁の航空機のフライトレコーダーとボイスレコーダーを回収していて、事故に至った経緯を調べることにしています。